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卓上四季

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終わらない延長

まさか、決着するまでに4日がかりで、しかも延長五十回、10時間18分も要するとは。誰がこんなすさまじい試合を予想しただろう。全国高校軟式野球大会準決勝の中京―崇徳(そうとく)戦▼1人で投げ抜いた両校の投手の肩は大丈夫か。選手の疲労が心配だが、ファンにとってはたまらない戦いだった。「感動をもらった」。そんな言葉が自然に口をついたはずだ▼軟式野球は硬式に比べ打球が遅く、飛距離も伸びない。得点が入りにくく、延長戦の頻度が多いと聞く。過去最長は、1983年の全日本軟式野球決勝での延長四十五回、8時間だった。こちらは1日で勝負が付いたそう▼この試合に感銘を受けた阿久悠さんが作詞した「今燃える」という曲がある。<この手におさまる白球も 生命と心を持っている 夢ある人の手でおどり 愛ある人の目で光る>。野球好きの阿久さんならではの素直な気持ちが伝わってくる▼もちろん、こんな試合が続けば選手たちの体は持たない。球の改良やルールの見直しが必要だ。それでも終わりが見えない攻防劇に引かれるのは、人間のたくましさや情熱への憧れからなのだろう▼残念ながら福島では原発事故処理という過酷な延長戦が続く。約3年前、収束宣言が出されたが、“誤審”に終わった。遠巻きに見物するゆとりはない。一刻も早いゲームセットを。内閣改造がそのためでなければ県民はやるせない。2014・9・2

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