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卓上四季

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レガシー

オリンピックのテーマ曲と言えば道民には、札幌五輪の「虹と雪のバラード」がおなじみだろう。トワ・エ・モワの白鳥英美子さんのデビュー45周年記念CDに収められ、有線放送でも度々流れる▼札幌の旧真駒内緑小は統廃合前の2011年まで、40年近く運動会でこの曲を流し、全校児童がダンスしていた。もともと五輪選手村の建物を使って開校した。いわば学校の原点を表す曲だ▼「屋根裏の落第坊主がギターを爪弾いて歌え、なおかつ何千人もの合唱に耐えうる歌詞に」。作詞した詩人の故河邨文一郎さんはNHKからの注文に戸惑ったそうだ。完成した曲は一人で口ずさめ、大勢で盛り上がることもできる。要望を上回るできばえなのは歴史が示している▼国際オリンピック委員会(IOC)は近年、五輪の持つ一過性の商業主義を戒め、社会面や経済面、環境面のレガシー(遺産)を重視する方針を掲げた。札幌五輪は地下鉄を残しただけではない。この歌をはじめ、人々に深く刻み込んだ記憶は、ある意味レガシーと言える▼上田文雄市長が五輪招致を表明した。肉体の限界に挑む選手。競技が終われば肌の色の違いを超えて肩を組む。五輪が感動を与えてきたのは確かだ▼しかし多額の事業費や施設整備が、負のレガシーにならないとも限らない。開催が現実になるかどうかは曲の歌詞のように「まっ青な空」がそこに描けるかだ。2014・11・28

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