西村昌弘社長に聞く
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大手漢方薬メーカーのツムラ(東京)が2009年7月、夕張市に100%子会社「夕張ツムラ」を設立し、道内での薬用植物(生薬)の生産・加工・保管事業展開を本格化させた。10月には自社農場として市内でセンキュウ栽培を開始、2010年10月には一次加工場と保管倉庫を建設する。「夕張を道内の生薬生産拠点に」との目標を掲げる夕張ツムラを訪ねた。(メディア局・磯田佳孝、2009年9月取材)
夕張市民会館内に事務所を立ち上げたばかりの夕張ツムラでは、西村昌弘社長(55)をはじめ3人のスタッフが、道内各地で実施中の生薬栽培説明会の準備に追われていた。西村社長は「破たん報道で夕張には暗いイメージがありましたが、実際にきてみると全然違う。街の人たちの前向きな姿勢を目の当たりにしました」と夕張の印象を話す。
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漢方の情報提供や研究開発の推進もあって、ツムラの漢方薬の販売量は年間10%強(数量ベース)で伸びている。原料生薬の調達は約80%を中国産が占め、日本産は約15%。今後も需要の伸びが予想され、生産規模拡大は急務。西村社長は「中国産生薬の増産と並び、北海道における生薬の増産を進める中で夕張を生産の拠点に」と意気込む。当面は、「抑肝散」(神経症・不眠症などに効能)の原料生薬の一つであるセンキュウを中心に栽培に取り組む。抑肝散は認知症の周辺症状での効果が基礎研究で認められ、今後の普及が期待されているという。西村社長は「冷涼な北海道はセンキュウ栽培に最適」と話す。
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既に道内での生薬栽培は年間320トンだが、将来的に2000トンに拡大するのが目標だ。品種も9品目程度を見込む。来年10月建設の一次加工場(総工費約15億円)では、道内で収穫した生薬の生加工、乾燥、保管などを行うが「将来的には、二次、三次と進め、製造棟を建設し、異物選別まで広げる」運びだ。最大200人規模の雇用も想定され、観光や農業と並ぶ新たな夕張の基幹産業として期待されるばかりか、製造業が弱いとされる北海道経済にも大きな影響を与えそうだ。
準備万端の夕張ツムラのスタッフだが、西村社長をはじめ全員が単身赴任。福島県出身ながら「雪の少ない地域で育った」という西村社長は「個人的には、単身で厳しい冬を乗り切ることも目標です」と苦笑いする。




