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夕張・再建3年目の希望

上.【官民協働】 移住者や企業を誘致 (2009/03/31)

 夕張市東丘町の高台に今年一月、完成した北欧風の平屋建て住宅。ロフト付きの2LDKで、オール電化。小樽市のログハウスメーカー、トベックスが、築五十四年の市営住宅を夕張市から買い取り、新築同様に改修した移住体験宿泊施設だ。これまでに八十件以上の宿泊希望が寄せられている。

■「逆転の発想」

 二〇〇七年四月の財政再建計画スタート以来、「全国最高の住民負担と最低の行政サービス」を強いられ、二年間で人口が千人以上減って一万一千七百人となった夕張市にとって、「逆転の発想」とも言える移住者誘致。だが、市にそのための財政的余裕はない。そこに協力を申し出たのがトベックスだ。住宅は体験宿泊施設として活用後、移住者に売却すれば採算が取れるとの計算もある。

 市は住宅完成に合わせて市役所に移住希望者の相談窓口「ゆうばり暮らしサポートチーム」を設置した。担当職員の武部一憲さん(40)は「これを機に、市と民間の協力関係が広がれば」と期待する。

 「最終的に三百人の雇用を生み出したい」。夕張に四月に工場を進出させ、夕張メロン味の生キャラメルを造る花畑牧場(十勝管内中札内村)社長のタレント田中義剛さん(51)は、そう力を込める。

 同牧場は、夕張の財政破綻(はたん)以降初の大型企業進出。市は早速、旧職員住宅三棟二十四戸を従業員住宅として貸すなど協力を始めた。藤倉肇市長は「観光客に加え、従業員百人と家族が市内に住めば経済効果は絶大。住宅供給に力を尽くす」と力を込める。

■アイデア次第

 一方、市と商工会議所、農協など市内主要団体は二十七日、夕張振興検討会議の初会合を市役所で開催。今後、協力して企業誘致などを図り、地場産業振興策を探っていく方針だ。

 再建団体移行で混乱していた二年前には考えられなかった形で少しずつ進み始めた官民協力。小樽商大大学院の相内俊一教授(政治学)は「資力に乏しい夕張は、自立のため民間との協働が不可欠」と指摘する。その上で、高齢者の買い物の送迎や、物品宅配時の安否確認など公共サービスを兼ねたビジネスが道内でも始まっていることを挙げ、「農協や生協、社会福祉協議会などが協力し、近隣エリアを含む広域プランなら、夕張でも実現可能性は高い」と話している。

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