夕張市民の意識調査
北海学園大・横山教授に聞く (2007/04/03)
市民に芽生えた自覚 破たんの責任、議会にも
市民意識調査の結果をどう読み解くべきか。夕張市の財政再建問題について、さまざまな提言を行っている北海学園大法学部の横山純一教授(地方財政論)に聞いた。 ◇ 調査は住民負担増が実質的にスタートする四月の直前に行われた。負担増の影響が表れる五月以降に調査を行えば、また違った結果になるかもしれない。そんな状況ですでに、高齢者らが生活費の切り詰めを始めている点が目を引く。 市民の九割が「市が財政再建団体になって不安を感じる」と答え、具体的な内容として「医療体制」「税金引き上げや公共料金などの値上げ」が続く。この結果は、市民が自分たちの生活への影響を深刻に受け止めているということだろう。 また全体としては六番目の順位になった「子供たちの教育」も、子育て世代の三十代では五割、二十代と四十代でも四割が不安と答えている。この点も注目すべきだ。 「市が財政再建団体になり、具体的に何が変わったか」という問いで、回答者の四割近くが「街の財政や自治について市民が考えるようになった」を挙げている点は、明るい材料だ。特に二十、三十代にこうした回答が多い。「市役所に頼るだけではだめだ」という自覚が生まれ、市民活動が活発になる予兆であり、喜ばしい。 財政破たんの原因として「観光への過大投資」を挙げる声が多いのも当然だ。中田鉄治前市長が掲げた「炭鉱から観光へ」の路線は決して間違いではなかったと思う。ただバブル経済が崩壊し、他の市町村が新規投資を自重する中で、夕張市はホテル買収や観光施設の増設を続けた。 破たんの責任者として、回答者の過半数が中田氏を挙げているのは、そういう理由からだろう。私としては、市議会の責任がもっと問われるべきだと思う。市民を代表して市政を執行するのは市長であり、それをチェックし、議決する権限は議会にあるのだから。 一方、市長選で「地元出身でなくても夕張を良くしてくれる人ならいい」が八割近くに達したのは、「新風を巻き起こしてほしい」という期待や、「国の管理下に置かれる以上、夕張を知らない人が市長になっても同じ」という思いがあるのではないか。 「再建計画の基本的枠組み」では廃止とされていた敬老パス制度や、保育料の引き上げ方針が、最終的な計画では見直しとなった。こうした国の姿勢は評価できる。ただ夕張市を管理下に置く国は、回答者の九割が抱える「街の将来への不安」に、きちんと向き合う責任がある。 十八年間という再建期間はあまりに長い。私は国が夕張への交付税配分に配慮し、せめて十五年程度に短縮してはと考えている。また人工透析治療の市外通院など、市民生活の中で本当に困った問題が起きた時は、国、道が解決に乗り出すべきだろう。 <略歴> よこやま・じゅんいち 東北大大学院経済学研究科博士課程修了。札幌学院大助教授、北星学園大教授を経て2000年4月から現職。東京都出身。56歳。 |
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