転機の大型店 不況と規制緩和の中で
<上>郊外へ−商圏広げ売り上げ増。消費多様化に対応、大規模化の動きも
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(1993/02/17)
■駅前から移り成功昨年十一月一日、旭川市春光の国道40号沿いに長崎屋旭川店がオープンした。旭川駅前から郊外への移転だったが、十一月の売り上げは「予想の一・五倍」(長崎屋北海道開発部)という繁盛ぶりだ。特に「客一人当たりの食品購入額が大きい」(同)と、不況を吹き飛ばす勢いだ。 同店の駐車場は千台収容。旭川市内でも最大規模だ。車だと大量の買い物も苦にならない。逆に駅前にあった時はバスで来る客が多かったため、一升瓶やティッシュなどかさばるものは売れなかったという。 郊外移転で商圏も大きく広がった。市街地を挟んで反対側の忠和、神居地区からの客も多く、「物珍しさも手伝ってか赤平、深川など車で一時間以内の他都市からも広く集まる」(同店)。郊外ロードサイド(道路沿い)型店の強さを見せつけた形になった。 ■増床の申請が続々 どんどん増える郊外店だが、改正大店法施行後は店舗大型化も急ピッチ。今まで店舗面積五百平方メートル以下の中規模店で営業していた紳士服、スポーツなどの専門店が次々と増床の申請を出している。道内では、ゼビオ(本社・福島県郡山市)が五店舗、はるやまチェーン(同・札幌)が三店舗、青山商事(同・広島県福山市)が二店舗といった具合。 「旧大店法の時は審議に時間がかかるため、店舗網を整備することを優先してとりあえず中規模店で出店した」(ゼビオ)が、大店法改正をきっかけに、品ぞろえを充実させるなど増床しているのが特徴だ。 また新規出店する大手スーパーの規模も大きくなってきた。石狩管内石狩町に進出の申請をしているダイエー(同・神戸)は、売り場面積が三万八千六百平方メートルと道内最大級。このほか札幌市豊平区に道ニチイ(同・札幌)、同手稲区に西友(同・東京)が、これまであまりなかった二万平方メートルを超える新設の届け出を出している。 面積が大きくなっているのは「生活者が小売業に求めているものが多様化している」(道ニチイ)ため。単に店舗を大型化するだけでなく、レジャー施設や多目的ホールなどを加えて集客力を増すのが狙いだ。 ■競争激化で閉店も このため郊外店同士の生存競争が厳しくなり、閉店に追い込まれるところも出ている。西友は昨年八月、同社の道内一号店の札幌市豊平区の月寒店(店舗面積四千四十平方メートル)を閉店した。北雄ラッキー(同・札幌)も二月末、昭和四十九年に開店した札幌市西区の宮の沢店(同千三百二十二平方メートル)を閉店する。「駐車場が二十台分しかない店舗は時代遅れ」(桐生泰夫社長)と言い切る。 数が増え、巨大化が進む郊外型大型店。生存競争は厳しさを増す一方だ。 不況とこれに伴う個人消費不振は百貨店、スーパーなど大型店を直撃している。加えて昨年一月末の大規模小売店舗法(大店法)改正で出店規制が大幅に緩和され、大型店間の競争は激化している。消費トレンドの変化にもどう追いつくのか、大型店の活路を探ってみた。 <メモ> 改正大店法 店舗面積五百平方メートルを超える大型店の出店などに関する法律。改正法は九二年一月三十一日施行。改正のポイントは(1)商業者などで構成された商調協を廃止し、出店の店舗面積などを決める実質的な調整活動を学識経験者のみで構成する大店審に移行(2)出店調整機関を一年半から一年に短縮する−など。 |



