洞爺湖サミットの展望
<1>拡大会合 存在感高まる新興国 (2008/04/19)
|
七月七−九日に開かれる北海道洞爺湖サミットまで、三カ月を切った。洞爺湖では各国が、最大の焦点の温室効果ガス削減以外にも、世界的な金融市場混乱への対応、アフリカ開発など、地球規模のさまざまな課題に向き合う。洞爺湖のテーマを読み解く。
「主要八カ国(G8)によるサミット開催は、洞爺湖が最後かもしれない」 地球環境問題大使などの経験を買われ、洞爺湖サミットに向け内閣官房参与に就任した札幌市出身の西村六善氏は、ふるさと北海道に思いをはせつつ、こんな予言をしている。 オイルショックと不況克服のため、先進六カ国首脳がパリ郊外のランブイエ城で初のサミットに臨んだのは一九七五年。その後カナダも加わり、冷戦下では旧ソ連に対する米国の覇権を支える政治的な役割も担った。 しかし冷戦が終わり、ロシアが正式メンバーとなった今、サミットの課題は政治や経済にとどまらず地球規模に拡大し、二〇〇〇年の沖縄以降は途上国代表の参加が定例化した。 ここ三年は中国、インド、メキシコ、ブラジル、南アフリカの新興五カ国が、拡大会合でG8と討議する仕組みが定着している。 洞爺湖で最大の課題とされる地球温暖化問題も、温室効果ガス排出大国の中国やインドが加わらなければ、解決策を見いだせない。英国のブラウン首相とフランスのサルコジ大統領は「新興五カ国をサミットの正式メンバーに」と提案する。 「アジア唯一のサミット国」という地位が揺らぎかねないと懸念し、サミット拡大に消極的な日本も、こうした流れを無視できない。洞爺湖では新興五カ国に加え韓国、インドネシア、オーストラリアを招待。拡大会合を含めたサミット参加国を、過去最多の二十三カ国に増やした。 「G8個々の力は相対的に低下しているかもしれない」。サミット研究で知られる名古屋外国語大大学院の高瀬淳一教授は、拡大会合の恒常化と参加国増加の背景を、こう分析する。 ただ「拡大会合を含めたサミット全体の力は、むしろ増している」。洞爺湖では世界で最もイスラム教徒が多いインドネシアも加わり、参加国の国際的な背景は広がっている。 拒否権を握る五大国や、大小二百近い加盟国の思惑で、十分に機能しない国連を補完し、「世界統治の司令塔」になる−。高瀬教授の描くサミット像だ。(高須賀渉) <メモ> 拡大会合は、G8から外(アウト=OUT)へ伸ばす(リーチ)という意味で「アウトリーチ」と呼ばれる。中国、インドなど新興5カ国は、この頭文字を冠してO5とされ、参加が定例化。洞爺湖はO5に韓国、オーストラリア、インドネシアが加わり「主要国8・新興国8・アフリカ8」(南アフリカは新興国とアフリカの代表として重複)の構成となる。拡大会合は初日の7月7日が「アフリカ開発」、最終日の9日が「気候変動」。 |



