サミット光と影 沖縄からの報告
<1>7年後 息長い経済効果 今も (2007/11/06)
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沖縄の玄関口、那覇空港。
秋だというのに、かりゆしウエア姿の観光客でにぎわう空港で今、約三千メートル級の第二滑走路を増設する計画が検討されている。最大で工期十年、事業費二千五百億円。現在の滑走路と並行し、沖合を約二百ヘクタール埋め立てる巨大事業だ。 二○○六年度の空港利用客数は過去最高の千四百五十万人に達した。国の試算では一○年度以降、利用客をさばききれなくなる。事業の実施は決まっていないが、県交通政策課は「今のままでは絶好の経済効果を逃しかねない」と説明する。 高まる好感度 沖縄ブームのきっかけとされるのが二○○○年九州・沖縄サミットだ。その後もNHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」、映画「涙そうそう」で沖縄の美しい自然が紹介され、「メディアへの露出で好感度が高まった」(県観光企画課)。 沖縄人気は県内企業にもじわりと波及効果をもたらしている。 今年六月、沖縄を代表するビール会社、オリオンビール(浦添市)は都内に営業所を開設し、首都圏での販路拡大に乗り出した。県外での出荷量が毎年数ポイントずつ伸びているからだ。 オリオンビールの森川豊元常勤相談役(78)=美唄市出身=は「都内などで沖縄料理店が増えている」と説明する。サミットでは、国内外の報道関係者が集まる名護市内のプレスセンターで生ビールを提供し、知名度アップにつなげたという。 県名産の「泡盛」も○五年の県外出荷量が二○○○年に比べ約三倍に増えた。県酒造組合連合会は「ここ数年はブームが若干落ち着いたが、なお増加傾向」という。 PR「一言で」 サミット後、学会やシンポジウムなど国内、国際会議の開催も目に見えて増えた。 首脳会合の会場として建てられ、現在、会議場に使われている名護市内の万国津梁(しんりょう)館は利用希望が多く、新たにホールを増設した。「『サミットの開かれた沖縄でぜひ会議をしたい』という申し込みが目立つ」という。 「二○○○年にサミットが開催された沖縄です−」。会議の誘致を行う商談の場でも、「一言で説明が済む。非常に大きなPR材料」。関係者はそう口をそろえる。 沖縄がサミットから得たのは知名度や好感度だけではない。厳重な警備や通信環境の整備が求められる国家レベルの会議を開いた実績への信頼感ともいえる。 北海道の観光客数は年間四千八百万人から四千九百万人で横ばいが続く。右肩上がりの沖縄観光を横目に、サミットの波及効果に期待は高まる。 国際会議などの誘致を担当する沖縄観光コンベンションビューロー(那覇市)の翁長由佳主任は、こう力説する。「サミットは大きなチャンス。効果を開催後にどうつなげるか。先を見据えた取り組みが重要になります」 初めての地方開催だった九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)から七年。沖縄にとってサミットは何を残したのか。来年七月の北海道洞爺湖サミットが八カ月後に迫った今、あらためて沖縄を訪ね、その意義を見つめた。 |



