ピヤラ アイヌ民族の今

アイヌ民族の今を伝え、文化と歴史を考えるページ、「ピヤラ」は、北海道新聞釧路・根室版の夕刊で2006年7月から隔週火曜日に連載中の特集ページ。現在も、道東のアイヌ民族の取り組みや思いを発信し続けています。
厳冬を乗り切る暮らしの知恵 (2010/01/19)
動植物使ったアイヌ民族の防寒具 文化伝承に取り組む阿寒アイヌ民族文化保存会(松田健治会長)では、フチ(おばあさん)に聞いたり、本を見たりしながら、コンチ(ずきん)、テクンベ(手袋)、ホシ(脚半)、厚手の靴下など伝統的な防寒具を製作し、保存している。 コンチは頭から肩、胸までをすっぽりと覆い、顔の一部が出るだけ。テクンベもホシも綿を入れた厚手の布や動物の毛皮などで作られ、風雪から身を守る。 同会会員の弟子シギ子さん(79)は「昔の人は賢いよね。これを身に着けると暖かくって。吹雪の時でも大丈夫」と笑顔を見せる。 「特性を上手に利用」 動物の毛皮は靴や腰当てにも活用された。弟子さんは50歳ごろに知人から贈られたアザラシの毛皮で作った靴を大切にしている。「私のは現代的なブーツだが、昔も毛皮を靴に活用していた。底はこれほど立派じゃなかっただろうけどね。氷の上で生きる動物の毛皮だから、保温効果は抜群」 猟師は腰にキタキツネやエゾシカの毛皮をくくりつけ、どこに座っても冷えない工夫をしていたという。 アイヌ民族は身近な魚、サケも防寒に利用している。釧路市立博物館にはサケの皮を乾燥させて作った靴「チェプケリ」が展示されている。 サケの皮は防水効果があり、風も通さない。長靴は大きな雄サケの皮を縫い合わせ、背びれの部分が底になるようにしている。背びれは滑り止めの役割を果たす。 サケ皮の靴は固いため、ぬるま湯で柔らかくし、干し草やオニアザミの花が終わった後にできる綿毛などを詰めて履いたという。 同博物館の戸田恭司学芸員は「寒さ対策もアイヌ民族らしく自然と調和し、特性を上手に利用している」と話す。 |








