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変革への試練 オバマ政権

<上>経済危機 救済策 時間との闘いに (2009/01/22)

 「さあ、米国を変革しに出掛けよう」

 就任式を終えたバラク・オバマ米大統領は二十日夜、首都ワシントンで相次いで催された華やかな記念舞踏会にミシェル夫人と参加し、笑顔を振りまいた後、会場を去る際には必ず、自問するようにそう声を上げた。差し迫った課題と向き合う緊張感、危機感が読み取れた。

 金融・経済危機への対処、巨額の景気刺激策、ビッグスリー(自動車大手三社)救済…。山積する経済課題は「多正面」で、猶予を与えてはくれない。

株急落の洗礼

 就任初日、推定二百万人という史上空前の人出で首都が祭典ムードに包まれたのとは裏腹に、オバマ氏は早くも、そんな「洗礼」を受けた。

 ニューヨーク株式市場のダウ工業株三十種平均はこの日、三三二ドルも急落。大統領就任日としては、史上最大の下げ幅を記録したのだ。市場は新大統領に、「ご祝儀」の代わりに、冷や水を浴びせた格好となった。

 昨年十一月の大統領選後、経済閣僚人事などで矢継ぎ早の対応と行動力を示してきたオバマ氏だが、それを上回る速度で米経済が急激に降下している。このため、オバマ氏が掲げる対策も、その後を追うように修正を迫られているのが実態だ。

 景気対策がその一つ。選挙期間中の同氏の公約は「千七百五十億ドル(約十五兆七千五百億円)規模で二百五十万人の雇用創出」。それが今は「八千二百五十億ドル(七十四兆二千五百億円)、四百万人の雇用創出」へと急膨張を余儀なくされた。

 経済指標も振るわない。昨年十二月の雇用は前月比五十二万人も減り、小売店売上高は同2.7%減。鉱工業生産指数は二十八年ぶりの低水準となった。

州財政も悪化

 こうした民間部門の不振以上にオバマ氏の危機感をかき立てたのは、全米各州で極端な財政悪化が相次ぎ露呈したことだった。全米州知事協会は「金融危機の進行で五十州中四十三州が深刻な赤字に直面している」と公表。カリフォルニア州では赤字の拡大から三十四億ドルの公共事業がストップ、財政資金が底をつく恐れさえ出てきた。

 米国では大半の州で州財政の均衡原則が法令化され、赤字は歳出減や増税に直結。ただちに地域経済の停滞につながる。八千二百五十億ドルの景気対策には、各州向けの数十億ドルずつの分配金が含まれており、オバマ氏は民間に加え、地方の救済への対応もおろそかにできない。

 オバマ氏は、経済顧問たちとの会議を二十一日に招集した。スピード感ある対応で、成果を挙げることができるのか。政権の力量が、さっそく試される。(ワシントン・三浦辰治)


 かつてなく大きな懸案と期待を背負い、オバマ米政権が二十日、発足した。その前途を展望し、課題を探る。

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オバマの挑戦

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