「丸井さん」へ 復活への視点
<上>苦情を生かす 客の評判 全社で共有 (2009/03/19)
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旭川市の主婦幸代さん(50)=仮名=は、幼い日、父親に連れられて行った旭川の「丸井さん」を思い出す。
美人のお姉さんがきれいな言葉で応対し、神業のような手さばきで、おもちゃを包装してくれた。売り場の商品はみんな、宝物に見えた。ハレの日の、きらきらした場所だった。 「私と同じように、多くの旭川市民が丸井さんの思い出とともに成長したはずです。かけがえのない百貨店なんです」 「真剣さ足りぬ」 札幌の丸井今井本店には、経営破綻(はたん)が伝えられた1月末以降、連日100件を超す道民の声が寄せられた。 秘書広報室によると、ほとんどが「とにかく頑張れ」「丸井さんをなくすな」という励ましの電話や手紙。 なかには、5年ぶりにやって来て、「頑張れ。応援するぞ」と、店員たちに声をかけて回る人もいたという。 顧客サービス室長の斉藤哲治さん(53)は涙が出るほどうれしかった。 一方で、「おしかり」もある。北海道新聞生活部に届いた60通余りの読者の意見と重なる内容だ。 たとえば、接客のあり方。「店員さんが見張っているようで、売り場が異様な雰囲気」「接客に真剣さがない」「お客への礼儀が徹底していない気がする」といった不評が目立つ。 丸井はすぐに対策に乗りだした。2月から毎日、日々のお客の評判を紹介するA4判の「おもてなし通信」を発行し、全4店すべての売り場に配っている。 そこでは、苦情の具体例を詳しく書き、「失敗」の共有をはかる。ほめられた店員は実名で取り上げ、波及効果を狙う。 朝礼は礼儀作法の復習と、商品について深く学ぶ時間にした。 古い建物ネック トイレ、駐車場、休憩の場なども評判が良くない。 丸井側は毎年優先順位をつけて、改修を続けているが、資金不足のため、思うように進まないという。 資金が足りないのは、12年前、グループ企業を含め1000億円にのぼる借金を抱えてしまったため。 なにより、札幌の一条館が築83年、大通館が34年と、ビルの古さが、改修の手間と費用がかかる理由だという。 秘書広報室長の木村亨さん(45)は「建物、設備など物理的な面では、新しい大丸さんを超えられないところがある。それでも丸井に行く、と言ってもらえる店づくりこそ、いま求められていることだと考えています」と話した。 ◇ 丸井今井が民事再生法の適用を申請して、間もなく2カ月。道民の多くが、北海道と共に歩んできた百貨店の行方を心配している。どうすれば「復活」できるのか、その視点を探った。 |
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