【緊急リポート】激震 丸井今井破綻
<上>未曾有の不況 老舗直撃 (2009/01/30)
伊勢丹の支援を受けて鳴り物入りで始まった丸井今井の経営再建は、未曾有の消費不況の波にのみ込まれて、わずか三年余りで暗礁に乗り上げた。法的整理という手法を選ばざるを得なかった背景には、三越という新たなパートナーを得た伊勢丹の姿勢の変化や、金融危機に直面した銀行団の余力不足、そして老舗百貨店の「甘え」が見え隠れする。
「万一に備え、法的整理の可能性を含めて、いろいろ相談したい」 今月十二日、札幌の顧問弁護士事務所を訪れた丸井今井幹部が切り出した。 同社の過去二回の経営再建は金融機関などの支援を受け、「倒産」の悪印象が強い法的整理を避けてきたが、昨年秋からの個人消費不振で業績が急速に悪化。 同社幹部は「日銭商売の百貨店で、まさか資金繰りに行き詰まるとは…」と絶句する。 伊勢丹手法不発 二〇〇五年秋から始まった丸井今井の再建は、ファッション分野を重点的にてこ入れする伊勢丹の経営手法を全面的に導入。「北海道一のファッションストア」(関根純専務)を目指し、世界中からファッション好きを集客するといわれる東京・新宿の伊勢丹メンズ館をほうふつとさせる邸宅風の紳士フロアなどを新装オープンさせたが、従来の顧客の好みとは合致していなかったとの声もある。 そこに世界金融危機に端を発した極度の消費不況が追い打ちをかけた。「改装しなければもっと悪かったかもしれない」(小林敏彦常務)のも事実だが、「ルイ・ヴィトンなどの高級ブランドの比重が他店より大きい」(畑中幸一社長)ため、売上高は急減。一月末に期限を迎える十億円の借入金返済もままならぬほど資金繰りに窮し、民事再生法の適用申請に追い込まれた。 この間、伊勢丹の支援姿勢にも微妙な変化が生まれた。昨春の三越との経営統合で、「丸井今井の存在価値は低下」(道内行幹部)。伊勢丹と三越の直営店や子会社の重複する新潟など道外の優先順位が高まり、伊勢丹による丸井今井へのてこ入れは後回しとなり経営悪化が進む格好となった。 銀行も余力なく 経営改善の見通しが立たないまま、〇九年一月期に債務超過に転落する恐れも強まり、丸井今井は昨夏、主力行に五十億−六十億円規模の金融支援を要請。だが丸井今井が示した収支見通しの甘さに加え、昨秋の金融危機で北海道銀行をはじめとする銀行側にも余力が無くなり、協議は難航を続けた。 交渉に応じた金融関係者は「丸井今井には『銀行は絶対にウチをつぶせない』という甘えがある」と吐き捨てる。金融団は「何とか支えたいが実現性に乏しい計画は受け入れられない」(道内行幹部)との厳しい姿勢に終始。金融支援のめどが立たないまま丸井今井は「抜本再建を図るには法的整理しかない」との苦渋の決断を余儀なくされた。(森栄一郎) |



