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小野寺淳子のこの一湯

【乙部町】ゆりの里活性化センター
源泉濃厚 地域の井戸端役 (2012/05/08)
濃密なとろみのある赤湯は若々しい肌づくりのための天然薬のよう
 一つきりの湯船は、大きな窓に面している。常連さんがその窓を開けると、春風がゆらり、と湯気を揺らして吹き込んだ。「露天風呂の気分でしょ」といたずらっぽくほほ笑んで湯べりにもたれ、心地よさげに目を閉じた。

 赤銅色の濃密な源泉が間断なくあふれる、簡素だが上質の湯空間。ところがこちら、なんと温泉だと示す看板一つ、通り道にも施設前にも出ていない。名称は「ゆりの里活性化センター」。国道229号沿いの案内看板には「農村公園/体験農園/ゲートボールコート/パークゴルフ場」とだけある。

 温泉はかつて800メートルほど先の泉源付近に設けてあったが、1998年の同施設整備を機に、湯を導管で引いて浴室も新設した。だから土地の人は昔の呼び名のまま「鳥山温泉」と呼ぶ。日帰り湯とはいっても観光どころか営利目的さえなく、運営が自治会なら利用するのも近隣の皆さんで、まさに地域の井戸端役。営業も週に4日だけ。だが湯の良さと日々欠かさぬ換水清掃、人情味あふれる雰囲気目当てに、口コミで訪れる温泉愛好家も多い。

 パークゴルフ利用料は200円。汗を流して、湯を浴びて、お弁当など持ち込んでのんびり…も良し。山手に1キロほど行くと、湯上がりの喉に最高の銘水「こもないの水」も湧いている。(旅行ジャーナリスト)

住所 檜山管内乙部町鳥山427の1
電話番号 0139・62・2037
泉質 ナトリウム―硫酸塩・塩化物泉
日帰り入浴 午前11時〜午後8時。大人300円、小中学生150円、未就学児無料。定休は月、水、金曜
交通 道央自動車道の八雲ICから国道277号、同229号経由で約1時間

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