現代かわら版
地域おこしに一役 ご当地モノポリー 北海道版“エゾポリー”見たい (2009/02/04)
20世紀初頭、米国で生まれたボード(盤)ゲーム「モノポリー」が話題を呼んでいる。何を今更、というなかれ。「ウゴポリー」など地元の人たちが企画したご当地バージョンが相次いで発売され、人気を博しているのだ。観光名所や地元企業が登場、道具の素材にもこだわり、地域おこしにも役立っているとか。じゃあ、北海道版“エゾポリー”、札幌版“サッポリー”もできる? 関係者に聞いた。(岡本玄吾)
「コンサドーレ札幌のマス目は石屋製菓の隣りがいいんじゃないか」「駒はジンギスカン鍋、クラーク博士像、テレビ塔、ビールジョッキ、それから…」。札幌モノポリー協会(大津充敬(みちあき)代表)のメンバー約十人が一月三十一日、札幌市内でモノポリー北海道版、札幌版のアイデアを出し合っていた。 メンバーが目標とするのは、二〇〇六年秋に発売された秋田県版、通称ウゴ(羽後=秋田の旧国名)ポリー。あるいは、昨年十二月二十日に売り出された大阪版。開発当初は「千個売れれば御の字」と言われたが、秋田県版は約三千五百個、大阪版は約四千個がはけ、注目を浴びている。 モノポリーはすごろくの要領で、さいころで駒を進める。止まったマス目の土地や会社を買ったり売ったりし、独占(モノポリー)を目指して資産を増やす。勝敗を決めるのは参加者同士の駆け引き。大人の愛好者も多く、世界選手権も開かれている。オリジナルは米国アトランティックシティーの地名。欧米では地域版も発売され、コレクターもいる。 秋田版→犬や杉 名物PR 日本初の都道府県版となった秋田県版を考えたのは、県内に住む鈴木正洋さん=酪農学園大卒=。郷土への思いたっぷりに、構想をブログに書き込んだところ、県内のウェブデザイナー千葉尚志さんが「やりましょう」と応じ、研究が始まった。 日本モノポリー協会を通じて、国内の版権を持つタカラトミー(東京)と折衝。「ゲームのルールはオリジナル版と変えない」などの制約を受けながら作成し、四千二百円で発売に至った。 秋田県版は、盤上のマス目には県内二十五市町村を当てはめ、観光名所を切り絵で表現。取得した土地に建設する家はかまくら型とし、旅館は樹齢四百年の天然秋田杉を実際に使った。駒は秋田犬。通貨の単位は「お金」の方言を生かし、「ジェンコ」とした。 発売されると、学校の先生たちも「地元を見直すきっかけになる」と注目。授業や外国人との交流会で活用された。鈴木さんは予想を超える反響に驚きながら、「秋田名物が全部詰まった『超名物』。地元には自慢できるものがない、と思っていた県内や県出身の人が喜んでくれたのがうれしい」と話す。 大阪版→商いや食 前面に 一方、大阪版は秋田県版のヒットを受け、大阪市で飲食店を経営する日本モノポリー協会理事の植田幹浩さんらが企画した。江崎グリコ、マンダム、ダイキン工業…と、「商いのまち」らしく、盤面には大阪に本社を置く企業が登場する。 このほか、「食」では豚まんで有名な蓬莱(ほうらい)や、たこ焼きの元祖たこ昌も。もちろん、大阪城や通天閣など一般的な観光名所もある。 開発に携わった、二〇〇〇年世界チャンピオンで日本モノポリー協会専務理事の岡田豊さんは「ガイドブックのような外向けの情報ではなく、地域の本当の顔にこだわった」と話し、大阪以外ではあまり知られていなくても、旺盛な起業家精神がある企業を登場させた。 価格は四千五百円。大阪の新たな良さを知るきっかけとなり、登場した企業には問い合わせも相次いでいるという。岡田さんは、北海道版や札幌版も「潜在的な魅力がある地域。できれば面白い」と期待する。 タカラトミーの担当者は、地域版の発売について「モノポリーの関心を高め、各地のPRにもなるので歓迎している」と話す。 札幌の団体が構想 駒は木彫りグマ 時計台など観光地も すぐに北海道版や札幌版ができそうな感じもするが、札幌モノポリー協会はまだ構想段階。資金面のハードルもある。ただ、実現への思いは強い。 構想では、時計台やススキノなど観光地のほか、北電やホクレンなど代表的な企業・団体を盛り込む。また、パソコンの音楽制作ソフト「初音(はつね)ミク」を大ヒットさせたクリプトン・フューチャー・メディア(札幌)など、地元の先駆的な企業も登場させたい考え。駒は道産材を使った木彫りのクマにするなどアイデアはどんどん膨らんでいる。 大津代表は「北海道は美しい自然と生活が融合する地域。道外の人がゲームをしたら行ってみたくなるような、そして地元の人は地域の素晴らしさを再発見するようなものができれば」と話している。 |
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