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アイスホッケー 転換期のアジアリーグ

<上> 繰り返される廃部 西武消滅 連鎖を懸念 (2009/04/02)

アジアリーグで準優勝に終わり、無念な表情を浮かべる西武の鈴木貴人主将=3月23日、ダイドーアリーナ

 アジアリーグのプレーオフ準決勝で、西武が王子を4連勝で破って決勝進出を決めた3月1日、王子の斉藤毅主将が会見の最後に異例の訴えをした。

 「(西武の廃部発表から)マスコミにたくさん伝えてもらった。これからも日本のホッケーを支えてほしい」。帽子を取って深々と頭を下げた。斉藤毅の声は震えていた。

 斉藤毅はかつて札幌を本拠地とした雪印に在籍。廃部とともに移籍した札幌ポラリスでもチーム存続を願ったが休部に追い込まれた。今度は西武の仲間が救いを求めている。チームを超えて選手の気持ちを代弁した。

 アジアリーグは2003−04年シーズンに誕生。企業の経営難などで休部や廃部が続き、チーム数が減る日本リーグを救う狙いもあった。海を越えて手を組んだリーグは今季、日中韓の7チームで戦った。

 それが西武の廃部で大きな危機を迎えている。西武が抜けると「雪崩のようにリーグ全体に影響するかもしれない。何とか日本製紙と王子には残ってほしい」と関係者は願う。

 日本製紙のチーム運営費は西武とほぼ同額の年間5億円。チーム関係者は「来季は1億円以上削減する見込みだ」と打ち明ける。王子も同様にチーム運営費の大幅圧縮を進めているという。

 王子と日本製紙の深刻度について「製紙業界のライバル同士、先に廃部を切り出せない。本音はやめたがっている」と関係者。微妙な力関係でチーム数が維持されているが、アジアリーグの対戦は遠征費が膨らむなど心配は尽きない。

 「やっぱりそうなったか」。西武の北海道私設応援団代表で、札幌の大西弘樹さんは、解散方針に肩を落とした。大西さんは廃部発表があった昨年12月から、全国で「存続を求める署名」を集めた。西武運営会社のプリンスホテルに提出した署名は約2万2000人分にもなった。

 「交渉先にアピールできると思ったが」と大西さん。今は廃部に至った経緯や引受先候補との交渉過程を知りたいと願う。3月25日には、プリンスホテルに公開質問状を送った。「西武の経費のみでなく収支をなぜ公表しないのか」など48項目の答えを待っている。


国内トップチームの統廃合の動き
1972年   福徳相互銀行(大阪)が成績不振で解散
79年 岩倉が業績不振により解散。チームぐるみで雪印に移籍
99年 古河電工が業績不振で廃部となり、クラブチーム日光バックスが発足
2001年 雪印が食中毒事件による経営悪化で廃部。クラブチーム札幌ポラリス発足
02年 札幌ポラリスが休部。日本リーグが6チームから5チームに減少
03年 西武鉄道とコクドが統合し、日本リーグが4チームに減少。アジアリーグが発足
09年 西武が経営環境の悪化により廃部
 アイスホッケー・西武の運営会社、プリンスホテルがチーム解散方針を発表した。日本代表を多数抱える強豪でも引受先がなかった事実に、関係者は複雑な思いだ。アイスホッケーの灯をどう守るのか、リーグは正念場を迎えている。

アイスホッケー・アジアリーグ

 2003−04年シーズンに、日本製紙(釧路)、王子(当時の王子製紙、苫小牧)、西武(同コクド、東京)、日光(栃木県日光)の4チームに、韓国の1チームを加えた計5チームで発足。一時は最大9チームに拡大したが、中国チームが統合するなどして、08−09年シーズンは日本、韓国、中国の7チームで行われた。

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