甘くない糖尿病の話
(1)自覚症状なく巧妙に悪さ 意外と知らない糖尿病の素顔 <加藤雅彦> (2010/03/03)
糖尿病は、体がブドウ糖を処理するしくみのどこかが故障して、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなる病気です。
◇
現在日本で糖尿病が強く疑われる人と可能性を否定できない「予備群」は、合わせて約2300万人いると推計されています。10年前と比べ約1.3倍に増え、増加ペースも加速しています。
患者増に伴い、糖尿病はマスコミに取り上げられることの多い病気になりました。
ただ、これだけ多くの患者さんがおり、たくさんの情報が流されているにもかかわらず、糖尿病についての正しい知識はあまり広まっていないようです。
患者さんに「糖尿病ってどんな病気ですか?」と質問しても「尿に糖がでる病気」「血糖値が高くなる病気」「失明する病気」など、断片的な答えしか返ってこないことがほとんどです。病気の全体像がわかっていないように思います。それはなぜでしょうか?
第一の原因は、糖尿病ではほとんどの場合、自覚症状がないことです。
「症状がないから大したことはない」と思っている糖尿病患者さんは実に多いのです。新聞、テレビで報道されている「恐ろしい糖尿病」はまるで他人の話。それゆえ糖尿病と診断されていてもほったらかす「糖尿病放置病」が起こるのです。糖尿病と診断されている人のうち、通院治療しているのは約半数しかいない、と報告されています。
二つめは、糖尿病が巧妙に自らの姿を隠して悪さをしているからです。糖尿病患者が合併症である心筋梗塞(こうそく)で死亡した場合、死因は「心筋梗塞」です。糖尿病は表には出ず、裏に隠れているのです。
さて、次回から、この“甘くない”糖尿病について詳しく見ていくことにしましょう。
<略歴>
かとう・まさひこ 国立病院機構北海道医療センター糖尿病・脂質代謝内科医長。北大医学部卒。札幌市出身。50歳。
甘くない糖尿病の話 コンテンツ一覧
- (1)自覚症状なく巧妙に悪さ 意外と知らない糖尿病の素顔 <加藤雅彦>(2010/03/03)
- (2)ブドウ糖はめぐる 血糖値維持 ホルモンが鍵 <加藤雅彦>(2010/03/10)
- (3)膵臓β細胞の孤独 血糖値抑制へ働き通し <加藤雅彦>(2010/03/17)
- (4)メタボリック症候群 心臓や脳血管障害も誘発 <加藤雅彦>(2010/03/24)
- (5)ある青年の憤り 「1型」は生活習慣と無関係 <加藤雅彦>(2010/03/31)
- (6)「本当に病気ですか?」 放っておくと失明や腎不全に <加藤雅彦>(2010/04/07)
- (7)検査で知る病気の姿 血糖値の指標、理解して <加藤雅彦>(2010/04/14)
- (8)自己血糖測定のすすめ 生活の問題点知る「特効薬」 <加藤雅彦>(2010/04/21)
- (9)少なく入れる 食事で血糖値の上昇抑制 <加藤雅彦>(2010/04/28)
- (10)引き算は得意ですか? まずは食生活の見直しを <加藤雅彦>(2010/05/05)
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