体の働き理解 健康に直結 當瀬・札医大医学部長 本紙連載コラムが本に (2010/02/03)
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| 「このコラムを書くことは今や生活の一部になってます」と語る當瀬医学部長 |
北海道新聞生活面で連載中のコラム「『生きる』しくみ」をまとめた「いちばんやさしい生理学の本」(秀和システム刊)がこのほど発売された。2006年10月の連載開始以来、分かりやすく体の働きを紹介してきた、筆者の當瀬規嗣・札医大医学部長(医学部細胞生理学講座教授)に、コラムにこめた思いを聞いた。(西村章)
知識共有 誤解、俗説ただす
――本には連載何回分が収録されているのですか。
「初回から第160回までの分を、『息をするしくみ(呼吸系)』『感じるしくみ(感覚系)』など臓器器官別に整理して収録しています」
――一般の人にも分かりやすく書いてますね。
「学者の気持ちとしては、細かく正確に書きたいけれど、そんな本はいくつもあります。そうではなく、生理学に興味を持ってもらえるように書いています。専門用語も使わないように気をつけていますよ」
――テーマ選びはどうしているのですか。
「日常感じた体の疑問に答えていくような内容にしたいと思っています。普段の生活の中で、こんなこと書いたら面白いんじゃないか、と気づいたことをメモして、それをもとに書いていますね」
――生理学の知識を得ることは私たちにとってどんな意味があるのでしょうか。
「生理学とは人の体の正常な状態、働きを調べる学問です。解剖学は体の構造を見ますが、生理学は、心臓はどうやって動いているのかなど、動きを問題にしています。体の仕組みを正しく理解することは健康に直結する話です。多くの人は健康の話というとすぐ病気の話をしますが、これはおかしい」
――確かに。どうしてでしょうか。
「健康とはこういうことだという明確なイメージがないからです。だから不安になる。健康についてのイメージを持ってもらうために生理学の知識は役立つでしょう。この本や連載で健康のイメージを持ってもらえれば」
――健康に関する俗説や誤解をただす内容もありますね。
「誤った知識に踊らされている例がたくさんあります。これに知らん顔をするのは学者としての社会的責任を果たしていないと思うんです。学問というのは、人類の福祉に貢献するのが目的。歴史的に積み上げてきた知識が共有されないと意味がない。そうでなければ学問でなく趣味ですからね」
――今後の連載も楽しみにしています。
「人間の体はいろいろなことが起こっているので、それを丹念に拾っていけば、いくつも書くことはあります。書くことで私自身も健康というもののイメージを確立し、まとめていきたいですね。知識は運用しないと身につかない。このコラムを書くことで私自身の知識も再確認しているんですよ」
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「いちばんやさしい生理学の本」はA5判、195ページ。1680円。全国の書店などで発売している。
<略歴>
とうせ・のりつぐ 滝川市出身。北大医学部卒。北大助手、札医大助教授などを経て1998年から教授。2006年3月から医学部長を務めている。50歳。
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