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頻繁な胸焼け、口の中の酸味が危険のサイン 増える逆流性食道炎 (2012/02/08)

細川正夫理事長

 頻繁に胸焼けを起こしたり口の中が酸っぱく感じるのが逆流性食道炎だ。高齢化などのほか、食事が欧米化し高カロリーになったことが背景になり、国内でも増加している。「強めの胸焼け」程度に考える人が多いかもしれないが、進行すると食道がんになる恐れもあり注意が必要だ。(塚本博隆)

姿勢や食事習慣で改善

 逆流性食道炎の主な症状として、胸焼け、食べ物をのみ込みづらくなる嚥下障害(えんげしょうがい)、口の中に何もなくても酸味や苦みを感じる「呑(どん)酸」がある。

 原因は胃酸の逆流だ。恵佑会札幌病院(札幌市白石区)の細川正夫理事長(消化器外科)は「食道の胃の入り口部分(噴門)には逆流を防ぐ下部食道括約筋があるが、高齢化などで働きが衰える。食道内はもともとアルカリ性だが、強い酸性の胃酸にさらされて荒れてしまう」と説明する=図(上)=。

 また、「食道裂孔ヘルニア」=同(下)=になると逆流性食道炎を発症しやすくなる。胸部と腹部を隔てる横隔膜には食道が通る穴が開いており、食道裂孔ヘルニアになると、胃が穴を通り抜けて胸部に飛び出してしまう。横隔膜には食道を締め付ける働きもあるが、ヘルニアを起こすとそれが緩むためだ。

 肉や脂肪が多い高カロリーの食事では胃酸の分泌が多くなることも、逆流性食道炎の引き金になる。

 日本消化器病学会誌に掲載された論文などによると、国内で1960年代から70年代前半にかけて行われた上部消化管内視鏡検査で、逆流性食道炎の症状を示していた割合は約3%と少なかった。しかし90年代後半に行われた検査では16%と上昇していた。細川さんはこのデータを示しながら「日本人の食事の欧米化が進んだことも原因」と説明する。

 逆流性食道炎の予防や症状改善には、体の姿勢や食事内容などの生活習慣が大きく関わってくる。前屈みになったりした際に食道が胃よりも下の位置にならないようにしたり、腹部の圧力を高めないことが重要だ。太りすぎや猫背は胃を圧迫して内部の圧力を高めてしまう。大食いや早食いをしたり、脂っこい物や、辛い物などの刺激物、コーヒー、アルコールの摂取も胃の活動を活発化するため避けたい。

 睡眠時も、体が横になるため逆流しやすくなる。細川さんは「寝る2時間前には食事を済ませて胃の中を空にして。上体を斜めに少し起こすようにし、うつぶせ寝も避けて」と指摘する。

治療には服薬、手術も

 治療は服薬が基本。一般的なのはプロトンポンプ阻害薬で、胃酸の分泌を抑える。再発を繰り返したり症状が強い場合は、胃の上部を、食道の下部を包むように巻き付けて逆流を抑える「噴門形成術」という手術を行う場合もある。

 逆流性食道炎が慢性化すると「バレット食道」という状態になることもある。食道の粘膜が、胃の粘膜に似た「円柱上皮」に変化する。細川さんは「バレット食道になると、食道腺がんを発生しやすくなるとされている」と話し、早期発見・治療の大切さを強調する。

 また、逆流性食道炎の症状で気を付けたいのが、せきが長く続いたり胸に強い痛みを訴えるケースだ。細川さんは「ぜんそくや狭心症とよく似た症状のため、間違う場合もある」として注意を呼び掛けている。

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