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精神障害回復目指し心地よい汗 フットサルで表情豊かに (2012/05/16)

 フットサルを通じて精神障害からの回復を目指す取り組みが広がっている。今年秋には道内代表チームが初めて道外で開かれる大会に出場することが決まったほか、“障害者の国体”と呼ばれる全国障害者スポーツ大会は2013年度、オープン競技に採用した。フットサルは取り組みやすく、感情表現が豊かになれる点などが人気だ。(塚本博隆)

道内チーム、全国大会初出場へ

 今年10月に大阪府で開かれる精神障害者フットサルの全国大会「ガンバ大阪スカンビオカップ」に向け、道内代表チームの練習が今月上旬から札幌市内で行われている。

 統合失調症など精神障害を患う30人が参加。練習を通じて最終的に代表12人が選ばれる。サッカーJ2の「ガイナーレ鳥取」元選手の伊東貴史監督(32)の指導を受け、選手たちは「パス、パス」「逆サイド」などと指示を積極的に出しながらコート上を走り回り、ゴールを決めると「ナイスシュート」と笑顔になった。

 参加した札幌市内の27歳の男性は、統合失調症で高校時代から幻聴に悩まされている。「もともと体力はあるので体を動かすのは楽しい。ストレス発散にもなり、生活に張りが出るようになりました」と息を弾ませた。

 「北海道精神障害者スポーツサポーターズクラブ」代表で道内の精神障害者フットサル活動を主導している井上誠士郎医師(40)=札幌市北区・石金病院=は「感情表現ができなくなっている精神障害者は多い。病院では表情がない人がフットサルのプレー中は、生き生きした表情を見せるようになります」と効果を実感している。

 精神障害者の中にはコミュニケーションを苦手とする人も少なくないとされるが、フットサルでは積極的に指示を出したり協力してプレーするため、自発性や社会性、自信を回復させる効果が期待できる。また、引きこもりがちになるため不健康な生活になりやすいが、スポーツするという目標ができることで摂生にも努めるようになるという。

 井上医師は、フットサルが他のスポーツに比べ取り組みやすい点として《1》容易に交代でき、体力がそれほどなくてもできる《2》費用があまりかからない《3》室内競技なので冬もできる―を挙げる。

 道内では10年から精神障害者を対象にした大会「コンサドーレ札幌プレゼンツ北海道チャンピオンズカップ」が始まった。第1回の出場チームは6チームだったが、第2回は8チームとなり、6月に開かれる第3回大会には、10チーム以上が出場する見込みで着実に増えている。道内の精神障害者フットサル人口は現在、200人程度という。

 精神障害者のフットサル大会は東京都、埼玉県、大阪府、福岡県などでも開催。こうした流れを受けて来年10月に東京都で開かれる障害者の国体「第13回全国障害者スポーツ大会」ではオープン競技に選ばれた。

 井上医師は「身体障害者や知的障害者と比べて、精神障害者が取り組めるスポーツはまだ少ない」と話し、精神障害者フットサルの普及を期待している。

 精神障害者フットサルに興味のある人は井上医師(電)011・762・4111(石金病院内)へ。

◇フットサル◇
 5人制サッカー。精神障害者フットサルでは女性が出場する場合は6人でも可。交代は自由で再出場もできる。一般的には、時間は前半、後半で数分間ずつで、ピッチの大きさは、長さ(タッチライン)が25〜42メートル、幅(ゴールライン)が16〜25メートル。

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