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ウィーン 音楽の都 身近に感じて/通信員リポート/ニュース教室 (2007/11/02)

世界(せかい)三大(だい)オペラ座(ざ)の一つ、ウィーン国立歌劇場(こくりつかげきじょう)。演奏家(えんそうか)やオペラ歌手(かしゅ)にとってはあこがれのぶ台(たい)だ

世界各地(せかいかくち)の若手(わかて)音楽家(おんがくか)が集(あつ)まるウィーン国立音大(こくりつおんだい)でピアノのレッスンを受(う)ける北広島市出身(きたひろしまししゅっしん)の稲田俊介(いなだしゅんすけ)さん《手前(てまえ)》

ベートーベン《銅像(どうぞう)》が曲(きょく)を考(かんが)えたウィーンの森(もり)近(ちか)くの「散歩道(さんぽみち)」

 音楽(おんがく)の都(みやこ)のウィーンというマチを知(し)っていますか? 作曲家(さっきょくか)のモーツァルトやベートーベンが活(かつ)やくしたヨーロッパの真(ま)ん中(なか)にあるオーストリアの首都(しゅと)です。遠(とお)く感(かん)じられるかもしれませんが、一流(いちりゅう)の演奏家(えんそうか)を目指(めざ)し、北海道(ほっかいどう)から勉強(べんきょう)しに来(く)る若者(わかもの)もいます。その一人で、ウィーン国立音楽大学(こくりつおんがくだいがく)でうでをみがいているピアニストの稲田俊介(いなだしゅんすけ)さん(28)=北広島市出身(きたひろしまししゅっしん)=にウィーンの歴史(れきし)や音楽(おんがく)をしょうかいしてもらいました。《写真(しゃしん)・石井群也(いしいともや)》

北海道と似た気候、自然

 ウィーン市(し)の人口(じんこう)は、札幌市(さっぽろし)よりちょっと少(すく)ない約(やく)百六十七万人(にん)。冬(ふゆ)は氷点下(ひょうてんか)一○度(ど)以下(いか)になることもあり、気候(きこう)は北海道(ほっかいどう)と似(に)ています。

 約(やく)八百年前(ねんまえ)の中世(ちゅうせい)という時代(じだい)から百年(ねん)ほど前(まえ)まで、ウィーンを支配(しはい)していたハプスブルク家(け)という王族(おうぞく)が、音楽(おんがく)をこよなく愛(あい)し、各国(かっこく)から演奏家(えんそうか)を大勢(おおぜい)招(まね)きました。人々(ひとびと)が言葉(ことば)のかべをこえてふれ合(あ)うために、音楽(おんがく)が大(おお)きな役割(やくわり)を果(は)たしました。そのぶ台(たい)となった宮(きゅう)でんが街中(まちじゅう)にあり、ウィーン中心部全体(ちゅうしんぶぜんたい)が世界遺産(せかいいさん)になっています。

 そして、二百年(ねん)ほど前(まえ)、モーツァルト、ベートーベン、シューベルトなどの大作曲家(だいさっきょくか)が次々(つぎつぎ)に現(あらわ)れ、活(かつ)やくしました。こうしたことから、「音楽(おんがく)の都(みやこ)」と呼(よ)ばれるようになったのです。

 日本(にっぽん)でも人気(にんき)が高(たか)いベートーベンは散歩好(さんぽず)きで、ウィーンこう外(がい)のハイリゲンシュタットの森(もり)を歩(ある)きながら曲(きょく)を考(かんが)えていたそうです。そんな場所(ばしょ)が今(いま)でも残(のこ)っています。自然(しぜん)豊(ゆた)かなオーストリアのふん囲気(いき)は北海道(ほっかいどう)によく似(に)ていて、ベートーベン作曲(さっきょく)の「田園(でんえん)」を聞(き)くと、北海道(ほっかいどう)の大自然(だいしぜん)を思(おも)い出(だ)します。

 ウィーンでは、楽器演奏(がっきえんそう)と歌(うた)とおどりを同時(どうじ)に行(おこな)うオペラ(歌劇(かげき))も盛(さか)んで、ウィーン国立歌劇場(こくりつかげきじょう)の音楽(おんがく)かんとくは日本人指揮者(にほんじんしきしゃ)の小沢征爾(おざわせいじ)さんが務(つと)めています。

 そのほか、ウィーンには大小(だいしょう)さまざまな音楽学校(おんがくがっこう)があります。楽器演奏者(がっきえんそうしゃ)だけでなく、オペラ歌手(かしゅ)や指揮者(しきしゃ)、作曲家(さっきょくか)などを目指(めざ)す大勢(おおぜい)の人(ひと)たちが、世界(せかい)にはばたく夢(ゆめ)を持(も)って勉強(べんきょう)しています。北海道(ほっかいどう)の出身者(しゅっしんしゃ)も、わたしが知(し)っているだけで、毎年(まいとし)五人(にん)ぐらい来(き)ています。

PMF目指す若者たくさん

 逆(ぎゃく)にウィーンから北海道(ほっかいどう)を目指(めざ)す若(わか)い音楽家(おんがくか)もいます。札幌(さっぽろ)を中心(ちゅうしん)に毎年(まいとし)開(ひら)かれる国際教育音楽祭(こくさいきょういくおんがくさい)「パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF(ピーエムエフ))」の選(せん)ばつ試験(しけん)は、ウィーンでも大変(たいへん)な人気(にんき)です。音楽祭(おんがくさい)の教授(きょうじゅ)たちもウィーンフィルから多数参加(たすうさんか)しており、ウィーンの音楽家(おんがくか)にとって北海道(ほっかいどう)は今(いま)や身近(みぢか)な土地(とち)になりつつあります。

 音楽(おんがく)に国境(こっきょう)はありません。外国(がいこく)で学(まな)ぶのは、言葉(ことば)が通(つう)じなかったり、生(う)まれ持(も)ったリズム感(かん)がちがったり、人種(じんしゅ)のかべがあったり、大変(たいへん)なこともたくさんあります。でも、音楽(おんがく)の素晴(すば)らしさは世界共通(せかいきょうつう)で、人々(ひとびと)をつなぐことができます。



<通信員リポート> 戦争のない世界に

黒石海月(くろいしみつき)《北斗市(ほくとし)・久根別小(くねべつしょう)5年(ねん)》

 今(いま)、わたしの学校(がっこう)で、図書館(としょかん)から貸(か)し出(だ)される本(ほん)のナンバーワンは「はだしのゲン」です。広島(ひろしま)に原(げん)ばくが落(お)とされたときの話(はなし)で、戦争(せんそう)の悲(かな)しさやおそろしさが伝(つた)わってきます。

 本(ほん)に登場(とうじょう)してくる人(ひと)たちは、みんながんばって生(い)きぬこうとしました。自分(じぶん)のためだけじゃなく、家族(かぞく)や友人(ゆうじん)のために、命(いのち)を大切(たいせつ)にしたいという気持(きも)ちが分(わ)かります。

 8月に学校(がっこう)で「平和集会(へいわしゅうかい)」が開(ひら)かれました。ビデオで戦争(せんそう)の様子(ようす)を見(み)ました。みんなが口々(くちぐち)に「こわい」とか「かわいそう」と言(い)っていました。

 わたしも世界中(せかいじゅう)から戦争(せんそう)がなくなればいいと思(おも)います。



<ニュース教室> 米国の住宅ローン問題 世界株安、引き起こす

 家(いえ)を建(た)てるとき銀行(ぎんこう)などからお金(かね)を借(か)りますね。収入(しゅうにゅう)が少(すく)なく信用(しんよう)がないと貸(か)してもらえませんが、アメリカでは「サブプライムローン」という、所得(しょとく)の低(ひく)い人(ひと)たち向(む)けの借(か)りやすい住宅(じゅうたく)ローンがあります。今年(ことし)になって返(かえ)せなくなるこげ付(つ)きが広(ひろ)がり、世界(せかい)の株安(かぶやす)を引(ひ)き起(お)こしました。

 「プライム」は条件(じょうけん)が良(よ)い通常(つうじょう)の貸(か)し付(つ)けですが、「サブ」は一ランク下(した)の意味(いみ)。過去(かこ)に借(か)りたお金(かね)をきちんと返(かえ)さなかったり、収入(しゅうにゅう)に比(くら)べ借金(しゃっきん)が多(おお)い人(ひと)など向(む)けで、初(はじ)めの利息(りそく)を低(ひく)く後(あと)で高(たか)くし、最終的(さいしゅうてき)には年(ねん)10%をこえるものがあります。家(いえ)や土地(とち)の値上(ねあ)がりを見(み)こんでいて、と中(ちゅう)で低(ひく)い利息(りそく)のローンに借(か)りかえたり、家(いえ)を売(う)ることができました。しかし、住宅(じゅうたく)が値上(ねあ)がりしなくなり、多(おお)くのローンが返(かえ)せなくなりました。

 このローンをもとに高(たか)いもうけを見(み)こんだ金(きん)ゆう商品(しょうひん)が売(う)り出(だ)されてきましたが、それを買(か)った野村証券(のむらしょうけん)のアメリカの子会社(こがいしゃ)が七百五十億円(おくえん)の赤字(あかじ)を出(だ)すなど、銀行(ぎんこう)や年金(ねんきん)を運用(うんよう)する基金(ききん)などが大(おお)きな損(そん)をこうむり、世界(せかい)のお金(かね)の流(なが)れを不安(ふあん)にしました。

 おう州(しゅう)の中央銀行(ちゅうおうぎんこう)が金利(きんり)を引(ひ)き下(さ)げたり、米国(べいこく)で投資家(とうしか)を救(すく)うための基金(ききん)を設(もう)けるなどの手(て)だてが講(こう)じられましたが、どんな金(きん)ゆう商品(しょうひん)として売(う)られ、だれが買(か)ったのかや、全体(ぜんたい)の損失額(そんしつがく)などひ害(がい)がどこまで広(ひろ)がるか分(わ)からないことが不安(ふあん)を広(ひろ)げています。しばらくは株価(かぶか)や景気(けいき)の行方(ゆくえ)から目(め)がはなせません。

《編集委員(へんしゅういいん) 本村龍生(ほんむらたつお)》

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