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ホールは「もう一つの楽器」 キタラの秘密のぞいたよ/通信員リポート/ニュース教室 (2007/10/13)

キタラ大(だい)ホール。中央上(ちゅうおううえ)の「反響板(はんきょうばん)」のゆるやかな曲線(きょくせん)は、客席(きゃくせき)の曲線(きょくせん)に対応(たいおう)しているよ

まぶしすぎず、暗(くら)すぎず。調光操作室(ちょうこうそうさしつ)で調光卓(ちょうこうたく)をあやつる藤沢(ふじさわ)さん

楽屋(がくや)4のシャワールーム。大理石(だいりせき)のかべに高級感(こうきゅうかん)がただよいます

ピアノ庫(こ)。スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ヤマハ、カワイと国内外(こくないがい)の大手(おおて)4社(しゃ)のグランドピアノがずらり

 クラシック音楽(おんがく)は好(す)きかな? ホールで生演奏(なまえんそう)をきくとちがった感動(かんどう)があるね。ホールは「もう一つの楽器(がっき)」とも呼(よ)ばれるように、演奏(えんそう)を左右(さゆう)する大切(たいせつ)なもの。そこにはどんな工夫(くふう)があるのだろう。札幌(さっぽろ)・中島公園(なかじまこうえん)のコンサートホールKitara(キタラ)をたずねてみたよ。《文(ぶん)・市村信子(いちむらのぶこ)、写真(しゃしん)・春日貢(かすがみつぐ)》

反響板に工夫/照明も気配り

 キタラは今年(ことし)で開館(かいかん)十周年(しゅうねん)。あたたかく、くっきりとした音(おと)が評判(ひょうばん)です。大(だい)ホールの客席(きゃくせき)はステージの正面(しょうめん)と横(よこ)、そして後側(うしろがわ)にもあります。「アリーナ型(がた)」と呼(よ)ばれるタイプだよ。すべての客席(きゃくせき)や演奏者(えんそうしゃ)になるべく同(おな)じ音(おと)が届(とど)くよう、音(おと)を反射(はんしゃ)する天(てん)じょうの「反響板(はんきょうばん)」は客席(きゃくせき)の曲線(きょくせん)に合(あ)わせてカーブしているんだ。

 音響(おんきょう)の良(よ)さを測(はか)る目安(めやす)は、余(よ)いんの長(なが)さをしめす「残響時間(ざんきょうじかん)」。クラシック演奏(えんそう)の時(とき)は長(なが)めが良(よ)いとされます。キタラは空席(くうせき)の時(とき)で二・二秒(びょう)、満席(まんせき)の時(とき)は二・○秒(びょう)。衣服(いふく)は音(おと)を吸収(きゅうしゅう)するので、満席(まんせき)だと残響時間(ざんきょうじかん)が短(みじか)くなります。キタラは他(た)のホールよりその差(さ)が短(みじか)い。「客(きゃく)のいないリハーサルと本番(ほんばん)で音(おと)がちがうと、演奏者(えんそうしゃ)は戸(と)まどいます。そういうことのないように工夫(くふう)しました」と営業係(えいぎょうがかり)の新庄文枝(しんじょうふみえ)さん(32)。

 その秘密(ひみつ)は−。座席(ざせき)の裏側(うらがわ)の板(いた)には小(ちい)さな穴(あな)があいていて、座席(ざせき)のクッションが見(み)える。空席(くうせき)の時(とき)は、このクッションが衣服(いふく)のかわりに音(おと)を吸収(きゅうしゅう)するそうです。

 ほかにも、天(てん)じょうに重(おも)いコンクリート板(ばん)を使(つか)って音(おと)の反射(はんしゃ)を良(よ)くしたりと、たくさんの工夫(くふう)が合(あ)わさって良(よ)い音響(おんきょう)を生(う)んでいるそうだよ。

 ステージの裏(うら)に回(まわ)って楽屋(がくや)を見(み)せてもらいました。出演者(しゅつえんしゃ)が着(き)がえたりするところ。一人用(よう)から二十人用(にんよう)まで十二あります。ステージ入(い)り口(ぐち)に一番(いちばん)近(ちか)い「楽屋(がくや)4」は、ソロの演奏者(えんそうしゃ)や指揮者(しきしゃ)などが使(つか)うところ。熱演(ねつえん)するとあせをかくので、シャワールームもついているよ。

 楽屋(がくや)の通路(つうろ)はゆったりしていて、楽器(がっき)を持(も)った人同士(ひとどうし)でも、楽(らく)にすれちがえる広(ひろ)さです。「きく人(ひと)だけではなく、演奏者(えんそうしゃ)にもやさしい施設(しせつ)をめざしました。それが良(よ)い演奏(えんそう)につながり、きく人(ひと)にも喜(よろこ)ばれますから」と新庄(しんじょう)さん。

 ステージ横(よこ)の「調光操作室(ちょうこうそうさしつ)」も特別(とくべつ)に見(み)せてもらったよ。十人(にん)も入(はい)ればいっぱいの小(ちい)さな部屋(へや)に、大(おお)きな調光卓(ちょうこうたく)がドンと置(お)いてあります。ここで照明(しょうめい)を調節(ちょうせつ)するんだ。「演奏者(えんそうしゃ)がまぶしすぎず、かといって暗(くら)くて演奏者(えんそうしゃ)の顔(かお)や手(て)もとが見(み)えないことのないよう、気(き)を配(くば)っています」と技術者(ぎじゅつしゃ)の藤沢純(ふじさわじゅん)さん(39)。

 照明(しょうめい)の角度(かくど)や強(つよ)さは公演(こうえん)によって変(か)わります。特(とく)にピアノは、かげができやすいので要注意(ようちゅうい)です。ふたのかげが鍵盤(けんばん)をおおったり、黒(くろ)い鍵盤(けんばん)のかげが白(しろ)い鍵盤(けんばん)にかかることがあるんだって。「(演奏者(えんそうしゃ)の)ななめ後(うし)ろから光(ひかり)を当(あ)てるのがコツ」と教(おし)えてくれたよ。

 生(なま)で演奏(えんそう)をきく良(よ)さは、どこにあるんだろう。新庄(しんじょう)さんは「耳(みみ)できくのではなく、『体(からだ)で感(かん)じる』ことができる。まるっきりちがうんです」と目(め)をかがやかせていたよ。



<通信員リポート> かっこよかったかんとく

新田圭介(にったけいすけ)《帯広市(おびひろし)・明星小(めいせいしょう)6年》

 今年(ことし)の夏(なつ)に、帯広(おびひろ)で北海道日本(ほっかいどうにっぽん)ハムファイターズ戦(せん)がありました。それに合(あ)わせて「とつげき!まめ記者(きしゃ)・ヒルマンかんとくの本音(ほんね)をきく」というきかくに参加(さんか)して、かんとくに直接(ちょくせつ)インタビューをすることができました。

 かんとくは背(せ)が高(たか)く、笑顔(えがお)がかっこよかったです。ぼくの質問(しつもん)には目(め)を見(み)ながら答(こたえ)てくれました。きん張(ちょう)したけど、とてもうれしかったです。

 残念(ざんねん)ですが、かんとくは退団(たいだん)を表明(ひょうめい)しています。かんとくのサインボールと、いっしょにとった写真(しゃしん)は、ぼくの宝物(たからもの)になりました。最後(さいご)は必(かなら)ず日本一(にっぽんいち)になってもらって、またみんなで喜(よろこ)びたいです。



<ニュース教室> ドラフト会議 有望選手 集中ふせぐ

 三日に開(ひら)かれたプロ野球(やきゅう)の高校生(こうこうせい)ドラフト会議(かいぎ)で、強打者(きょうだしゃ)として注目(ちゅうもく)されていた中田翔外野手(なかたしょうがいやしゅ)(大阪桐蔭(おおさかとういん))は四球団(きゅうだん)から指名(しめい)され、くじ引(び)きで日本(にっぽん)ハムが入団交(にゅうだんこう)しょう権(けん)を得(え)ました。

 ドラフトは「選(えら)び出(だ)す」という意味(いみ)の英単語(えいたんご)。プロ野球(やきゅう)のドラフト会議(かいぎ)は、各球団(かくきゅうだん)の代表(だいひょう)が集(あつ)まり、それぞれが入団交(にゅうだんこう)しょうする新人選手(しんじんせんしゅ)を決(き)める会議(かいぎ)です。

 中田選手(なかたせんしゅ)のような有望選手(ゆうぼうせんしゅ)は、一まわり目(め)でいくつもの球団(きゅうだん)が指名(しめい)するので、くじ引(び)きになります。外(はず)れた球団(きゅうだん)は、別(べつ)の選手(せんしゅ)を指名(しめい)し、二まわり目(め)からは、決(き)められた順番(じゅんばん)で各球団(かくきゅうだん)が選手(せんしゅ)を指名(しめい)していきます。

 ドラフト会議(かいぎ)は、七十年以上(いじょう)前(まえ)に米国(べいこく)のプロフットボールリーグで始(はじ)まり、日本(にっぽん)のプロ野球(やきゅう)でも、一九六五年から行(おこな)われています。主(おも)な目的(もくてき)は、有望選手(ゆうぼうせんしゅ)をできるだけ公平(こうへい)に各球団(かくきゅうだん)にふり分(わ)けることです。

 選手(せんしゅ)と自由(じゆう)に入団交(にゅうだんこう)しょうができれば、有望選手(ゆうぼうせんしゅ)は高(たか)いお金(かね)を出(だ)す球団(きゅうだん)や人気球団(にんききゅうだん)に集中(しゅうちゅう)し、各球団(かくきゅうだん)の戦力(せんりょく)に大(おお)きな差(さ)がついてしまいます。そうならないように、と始(はじ)まったのが、ドラフト会議(かいぎ)。この制度(せいど)には「選手(せんしゅ)が球団(きゅうだん)を選(えら)ぶ自由(じゆう)をうばう」といった批判(ひはん)もあり、何度(なんど)も改革(かいかく)されてきましたが、基本的(きほんてき)な仕組(しく)みは変(か)わっていません。

 お目当(めあ)ての選手(せんしゅ)を取(と)ることができるか−。ファンには、気(き)になる会議(かいぎ)ですね。

《編集委員(へんしゅういいん) 三浦祐嗣(みうらゆうじ)》

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