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日本の伝統文化根付くマチ 小樽の舞楽、美しく/通信員だより/ニュースなるほど! (2011/06/11)

赤い衣装とつばさをつけてまう「迦陵頻」=08年10月さつえい

小樽・住吉神社で舞楽の練習にはげむ子どもたち

「胡蝶」で身につける、あざやかな緑の衣装。80年も前に作られたそうです=08年10月さつえい

 小樽(おたる)は、北海道の中でも日本の伝統(でんとう)文化が大切にされてきたマチの一つです。明治から大正時代にかけて経済(けいざい)的にとても豊(ゆた)かで、文化を育てる助けになりました。優雅(ゆうが)な舞楽(ぶがく)の練習にがんばる小学生たちは「おどりを覚えるのは難(むずか)しいけれど、たくさんの人に見てもらえてはげみになります」と笑顔で話しています。《文、写真・宮本武(みやもとたけし)》

交易で栄えた商人が守り育てる

 古くから日本の宮廷(きゅうてい)や寺社の儀礼(ぎれい)などで奏(かな)でられた音楽「雅楽(ががく)」のうち、まいをともなっているのを舞楽といいます。

 6月4日、小樽の住吉(すみよし)神社に、小学4年の佐藤根一葉(さとねかずは)さん、千葉明加(ちばあすか)さん、山口碧唯(やまぐちあおい)さんの3人が集いました。7月にある大きなお祭りに向けて、先輩(せんぱい)の中学1年、韮沢緋奈(にらさわひな)さんと4人一組でまいの練習をするためです。

 演目(えんもく)は「迦陵頻(かりょうびん)」。難しい名前だね。半分が鳥、半分が人間の想像(そうぞう)上の生き物にちなんでいます。練習では動きやすい服装(ふくそう)ですが、本番では小鳥のがらがある赤く美しい衣装(いしょう)を着て、背中(せなか)につばさをつけます。指導(しどう)は星野昭雄(ほしのてるお)宮司(ぐうじ)の母、博子(ひろこ)さん(78)。50年以上も教え続けているんだって。

 本番の衣装のすそは子どもの背丈(せたけ)ほどの長さで、「足でふんでしまうと転びそう。気を使います」(山口さん)。つばさなどを付けると、重さは4キロほどあるそう。千葉さんが「見た目よりも動きづらい」って教えてくれました。美しくまうのも大変なんだね。

 住吉神社でまいの練習を重ねているのは、主に4歳(さい)から高校生の女の子十数人。中学、高校生らの「胡蝶(こちょう)」の衣装はあざやかな緑で、80年前に作られたのだといいます。

 そんな歴史がある衣装がどうして小樽にあって、きちんと残っているのでしょうか。

 小樽市総合(そうごう)博物館の石川直章(いしかわなおあき)副館長は「昔の小樽は、本州と人や物の行き来が盛(さか)んでした。小樽に移(うつ)り住んだ人も多く、故郷(こきょう)の文化をきちんと守りたいと強く願ったからでしょう」と話します。

 江戸(えど)時代、北海道と大阪(おおさか)をつなぐ航路では北前船(きたまえぶね)という船が活躍(かつやく)し、多くの物を運んでいました。明治になってからも北陸地方などと小樽の結びつきは強く、住吉神社の神楽(かぐら)は新潟(にいがた)から伝わったといいます。さらに交易(こうえき)や商業、ニシン漁で富(とみ)を築(きず)いた小樽商人は、文化を守り育てるために寄付(きふ)をする余裕(よゆう)と、気持ちがあったのです。

 小樽には、北海道ではめずらしい能舞台(のうぶたい)があります。ぼんおどりも盛んです。石川副館長は「一般(いっぱん)の人も、日本文化に親しんできました。だからこそ日本各地で伝統がとだえつつある今も、小樽ではちゃんと根付いているんだと思います」と説明してくれました。

 住吉神社の佐藤根さんたちは、雅楽という伝統音楽に乗ってまいます。奏者の1人で、札幌(さっぽろ)の会社員鳥井直史(とりいなおふみ)さん(32)は「まい方やあいさつの仕方を、お姉さんたちが後輩にきちんと教えている。文化が引きつがれているんだなと思ってたのもしく感じます」と語っています。みんなも身近な伝統文化に接(せっ)してみたらいいかもしれませんね。



<通信員だより>夏の演奏会へ練習に熱

斉藤優織(さいとうゆり)《札幌(さっぽろ)市・南月寒(みなみつきさむ)小5年》

 私(わたし)は4歳(さい)からバイオリンを習い、HBCジュニアオーケストラにも入っています。作曲家の意図をつかもうと努力し、ほかの楽器と一緒(いっしょ)に上手に演奏(えんそう)できたときには達成感を感じます。

 オーケストラでは小学生から高校生までの100人以上が毎週練習するので、ちがう年齢(ねんれい)の人とも仲良くなります。今は、7月25日に札幌コンサートホールキタラで開かれる夏公演(こうえん)に向け、練習に熱がこもっています。ベートーベンの交響曲(こうきょうきょく)「運命」や、チャイコフスキーの序曲(じょきょく)「1812年」などを演奏します。また、7月末にもPMFチェンバー・プレーヤーズと共演(きょうえん)します。

 5月には合宿があり、2日間みっちり練習しました。良い演奏会にするので、どうぞ聞きに来てください。



<ニュースなるほど!>梅雨 修理急ぐ震災被害の堤防

 本州各地では、雨が続き、外にせんたく物がほせなくてこまる季節がやってきました。5月から7月ごろにかけて、雨が続くのを梅雨(つゆ)と言います。

 日本列島の上空に、南からあたたかく、しめった空気が入り、逆(ぎゃく)に北から入ってきた冷たい空気とぶつかって、梅雨(ばいう)前線ができます。しめった空気に含まれた水分が冷やされて雨になります。今年は5月26日に近畿(きんき)地方が、27日に関東地方と長野(ながの)県、山梨(やまなし)県が梅雨入りしたようだと、気象庁(きしょうちょう)が発表しました。

 いつもの梅雨とちがうのは、震災(しんさい)で大きな被害(ひがい)が出た岩手(いわて)、宮城(みやぎ)、福島(ふくしま)の3県などで、急いで修理(しゅうり)しなくてはならない川の堤防(ていぼう)が多いことです。水害が起きたことがある場所や、道路にも使われている堤防の工事を先にやっていますが、5月末の時点で、3県の計37カ所で、大雨にそなえる間に合わせの工事、応急(おうきゅう)工事が終わっていません。

 政府(せいふ)の担当者(たんとうしゃ)は「6月中には応急工事を終えたい」と話しています。

 宮城県で漁業関係の仕事をしている須藤勉(すとうつとむ)さん(56)は「海岸近くは地盤(じばん)がしずんだので、雨はおっかない。梅雨が続くと、水びたしになる場所が多くなるだろう」と心配しています。

 いつもなら、東北の南部は6月12日ごろ、東北の北部は14日ごろが梅雨入り。梅雨明けは南部が7月25日ごろ、北部が7月28日ごろ。大きな被害が出ずに梅雨が終わってほしいですね。

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