どうしんウェブ 北海道新聞

  • PR

  • PR

道新小学生新聞フムフム

うま味たっぷり 函館の海の幸 厚いぞ!南茅部コンブ (2011/04/09)

函館市南茅部地区のおきで行われるコンブの間引き作業

コンブについて調べたことをまとめた函館・磨光小の児童たち

たくさんのコンブ製品(せいひん)が並(なら)ぶ南かやべ漁協昆布(こんぶ)加工センター

 コンブは鍋物(なべもの)やみそしる、煮物(にもの)のだしに使われる身近な食品です。北海道の生産量は全国の9割(わり)以上をしめ、中でも、太平洋に面した函館市南茅部(はこだてしみなみかやべ)地区のコンブは、高級ブランドとして全国的に有名です。コンブには「天然もの」と、育てる「養殖(ようしょく)もの」の2種類があり、日本で初めて養殖技術(ぎじゅつ)が開発されたのがこの南茅部です。南茅部を訪(たず)ね、コンブについて調べてきました。《伊藤美穂(いとうみほ)》

 コンブは、水にひたし、火にかけると、じわじわ、うま味(み)を出します。ミネラルやビタミンがたっぷり。たくさんの種類がありますが、道南でとれるマコンブは長さ1.5〜5メートル、はば15〜50センチで厚(あつ)みがあるのが特徴(とくちょう)です。

 出荷先は大阪府(おおさかふ)など関西地方や、福井県(ふくいけん)などの北陸地方が中心。高級旅館や料亭(りょうてい)の調理場でも、だしを取るのに重宝(ちょうほう)されています。南茅部のコンブの歴史は300年をこえ、朝廷(ちょうてい)や将軍(しょうぐん)家におさめられていたことから別名「献上(けんじょう)コンブ」ともいわれています。

日本で初めて養殖、手入れが大変

 天然ものは天候に左右されます。漁師(りょうし)さんは生活が苦しく、冬は本州などに出かせぎに行かなくてはなりませんでした。そんな中、南茅部では1966年から研究者や地元の漁師さんが実験をくり返し、69年に初めて養殖ものの出荷に成功しました。コンブの生産量は大きく増(ふ)え、漁師さんは安定した生活を送れるようになりました。70年代に入ると、利尻島(りしりとう)や根室管内羅臼町(らうすちょう)など道内のほかの産地でも養殖を行うようになりました。

 養殖ものは、育てなければならないので手入れが大変です。手入れをすることで、天然ものに負けない立派(りっぱ)なコンブに育つのです。じょうぶなコンブの苗(なえ)を育てるために作られたのが種苗(しゅびょう)センターです。種苗センターにはたくさんの水槽(すいそう)があり、栄養分に富(と)んだ液《培養液(ばいようえき)》にひたし、本来は1年かかるものを45日前後で成長させています。南かやべ漁協東部種苗センターの平田誠(ひらたまこと)センター長(52)は「水の入れかえや栄養、照明、水温の調整など、一つ一つが気の抜(ぬ)けない作業です」と話していました。

 漁師さんは11月ごろ、センターで育った苗をおきに出して海水にならした後、3〜4センチに切り分けてつなにはさみこんでいきます。2月ごろから生育の悪いものを切って1株(かぶ)あたり4〜6本になるように間引きをし、6月下旬(げじゅん)から8月にかけて収穫(しゅうかく)します。収穫時期になると朝早くから家族みんなでコンブを洗(あら)ったり干(ほ)したりする作業で大いそがし。遊んでいる子どもはいません。

 南茅部地区にある函館市立磨光(まこう)小学校《須藤由司(すどうゆうじ)校長、162人》では、町の特色を生かした「ふるさと学習」を取り入れています。市内の水産加工会社や種苗センターを訪ねて調べたことをまとめたり、南茅部のコンブを取りあつかっている大阪のコンブ問屋さんを招いてだしの取り方やコンブ料理のおいしさを教えてもらったりしています。

 6年の吉田圭佑(よしだけいすけ)君(11)は「南茅部のコンブで取っただしはとてもおいしいです。コンブは地域(ちいき)にとってなくてはならないもので、いろんな人の努力で育てられてきたことがあらためてわかりました」と話していました。

道新小学生新聞フムフム コンテンツ一覧

このページの先頭へ