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道新小学生新聞フムフム

辺境 感動くれる大自然/通信員リポート/ニュース教室 (2007/05/19)

世界地図(せかいちず)で、大谷(おおたに)さん(左(ひだり))からヒマラヤ山脈(さんみゃく)の位置(いち)を教(おし)えてもらう、池田(いけだ)さん(右(みぎ))と笠松君(かさまつくん)

大谷(おおたに)さんがさつえいしたヒマラヤ山脈(さんみゃく)

大谷(おおたに)さんから七つ道具(どうぐ)の説明(せつめい)を受(う)ける2人

 地球上(ちきゅうじょう)には、けわしい山脈(さんみゃく)やジャングルのおくなど行(い)くのがとても大変(たいへん)な場所(ばしょ)があり、秘境(ひきょう)や辺境(へんきょう)と呼(よ)ばれます。そんな辺境(へんきょう)に出(で)かけて写真(しゃしん)をとり、人々(ひとびと)の暮(く)らしを取材(しゅざい)している人(ひと)もいるんだよ。講演(こうえん)で話(はなし)をするため十四日に札幌(さっぽろ)を訪(おとず)れた登山家(とざんか)の大谷映芳(おおたにえいほう)さん(60)も、その一人。フムフム通信員(つうしんいん)の池田絵理香(いけだえりか)さん(札幌市(さっぽろし)・信濃小(しなのしょう)五年)と、笠松篤君(かさまつあつしくん)(札幌市(さっぽろし)・琴似小(ことにしょう)六年)が大谷(おおたに)さんに辺境(へんきょう)の話(はなし)を聞(き)きました。《町田誠(まちだまこと)》

通信員が登山家・大谷映芳さんにインタビュー

 子(こ)どものころから山登(やまのぼ)りが好(す)きだった大谷(おおたに)さんは、テレビ朝日(あさひ)(北海道(ほっかいどう)ではHTB(エイチティービー))の社員(しゃいん)として世界(せかい)の辺境(へんきょう)を取材(しゅざい)し、テレビで放送(ほうそう)しました。特(とく)に中国(ちゅうごく)やインドなどにはさまれたヒマラヤ山脈(さんみゃく)のおく、ネパールのドルポ地区(ちく)に何度(なんど)も通(かよ)い、教育(きょういく)や医(い)りょうを支(し)えんしています。先月(せんげつ)にテレビ朝日(あさひ)を定年退社(ていねんたいしゃ)し、現在(げんざい)はかん境(きょう)保護(ほご)や辺境(へんきょう)の人々(ひとびと)を助(たす)けるNPO(エヌピーオー)の代表(だいひょう)です。

 大谷(おおたに)さんは神奈川県出身(かながわけんしゅっしん)です。周囲(しゅうい)には山(やま)がありました。「小学生(しょうがくせい)のころはテレビゲームも何(なに)もなく、外(そと)で遊(あそ)んでいました。山登(やまのぼ)りが得意(とくい)で、大人(おとな)にほめられ、うれしかった」。小学(しょうがく)三年生(せい)の時(とき)、高(たか)さ八千メートルをこすヒマラヤ山脈(さんみゃく)のマナスルを、日本人(にっぽんじん)が世界(せかい)で初(はじ)めて登頂(とうちょう)しました。小学校(しょうがっこう)で、そのときの記録映画(きろくえいが)を観(み)て感動(かんどう)し、ますます山(やま)が好(す)きになったんだって。

 高校(こうこう)も大学(だいがく)も山(さん)がく部(ぶ)に所属(しょぞく)。大学生(だいがくせい)の時(とき)に世界(せかい)で二番目(ばんめ)に高(たか)いK2(ケイツー)(八、六一一メートル)に登(のぼ)りました。「山(やま)に登(のぼ)りたいし、人(ひと)があまり行(い)かない場所(ばしょ)をしょうかいしたい」と思(おも)ってテレビ会社(かいしゃ)に入(はい)り、今(いま)までに約(やく)四十カ国(こく)を訪(おとず)れたそうです。

リュック重さ30キロ

 大谷(おおたに)さんは、登山(とざん)に必要(ひつよう)な「七つ道具(どうぐ)」を用意(ようい)してくれました。《1》アイスハンマー(ピッケル)《2》ロープ《3》ヘッドライト《4》ナイフ《5》方位磁石(ほういじしゃく)《6》ライター《7》針(はり)と糸(いと)です。

 アイスハンマーは雪山(ゆきやま)や氷河(ひょうが)で氷(こおり)をけずって足場(あしば)をつくったり、雪面(せつめん)に打(う)ち付(つ)けてすべり落(お)ちるのを防(ふせ)いだりします。ロープは二人一組(くみ)でおたがいをつなぎ、片方(かたほう)がすべり落(お)ちたら残(のこ)ったほうが支(ささ)えます。太(ふと)さ九ミリ、長(なが)さ五十メートルのナイロン製(せい)ロープの重(おも)さは約(やく)三キロ。持(も)ってみた池田(いけだ)さんは「けっこう重(おも)い」とびっくり。

 ヘッドライトは、予定(よてい)がおくれてテントをはる前(まえ)に暗(くら)くなった時(とき)や、夜(よる)にテントの外(そと)でトイレをする時(とき)に使(つか)います。

 頭(あたま)につけてみた笠松君(かさまつくん)は「工事現場(こうじげんば)みたい」と興味深(きょうみぶか)そうでした。ナイフはロープを切(き)ったり料理(りょうり)に使(つか)い、方位磁石(ほういじしゃく)は方向(ほうこう)を確認(かくにん)できます。

 火(ひ)をおこす時(とき)はライターの出番(でばん)。では針(はり)と糸(いと)は? 「服(ふく)に穴(あな)が開(あ)いたり、テントが破(やぶ)れたら、ぬって直(なお)します。放(ほう)っておくと冷(つめ)たいからね」と大谷(おおたに)さん。食料(しょくりょう)やテントも入(い)れると、リュックの重(おも)さは約(やく)三十キロになります。

「地球 大事に思う」

 道具(どうぐ)の説明(せつめい)が終(お)わり、笠松君(かさまつくん)は、山(やま)で一番(いちばん)おいしかった食事(しょくじ)は何(なに)か質問(しつもん)しました。大谷(おおたに)さんは「K2(ケイツー)で食(た)べたカレーライスかな。山(やま)に連(つ)れて行(い)って食(た)べたヤギの肉(にく)もおいしかった。頂上(ちょうじょう)の前(まえ)は、ラーメンなど水分(すいぶん)の多(おお)い物(もの)を食(た)べます」と答(こた)えました。

 池田(いけだ)さんは、山(やま)で高山病(こうざんびょう)にならないか聞(き)いてみました。「高(たか)い場所(ばしょ)は空気(くうき)がうすいので、頭(あたま)が痛(いた)くなったりします」と大谷(おおたに)さん。そういう苦労(くろう)をしてこそ、見(み)たことのない自然(しぜん)や人々(ひとびと)と出(で)あえるんだね。「大自然(だいしぜん)は人間(にんげん)に勇気(ゆうき)や感動(かんどう)をあたえてくれます。地球(ちきゅう)って大事(だいじ)だなと心(こころ)から思(おも)います」。大谷(おおたに)さんの言葉(ことば)に通信員(つうしんいん)たちは、辺境(へんきょう)の景色(けしき)を思(おも)いえがいていました。



<通信員リポート> リングプルが車いすに

松原由季(まつばらゆき)《(滝川市(たきかわし)・滝川第三小(たきかわだいさんしょう)6年》

 わたしの学校(がっこう)では、みんなでリングプルを集(あつ)めています。たくさん集(あつ)めることで、車(くるま)いすと交(こう)かんできるからです。

 リングプルは、わたしが1年生(せい)の時(とき)から集(あつ)めていました。クラス対(たい)こうで、どれだけ集(あつ)まるか競争(きょうそう)をしたので、どんどん集(あつ)まりました。

 いつもごみで捨(す)てていた、かんについたリングプルが、このように役(やく)に立(た)つなんて「すごいなぁ」と思(おも)いました。

 今年(ことし)の春(はる)、かなりの量(りょう)のリングプルがたまり、ようやく車(くるま)いす1台(だい)と交(こう)かんになりました。この車(くるま)いすは、足(あし)の不自由(ふじゆう)な人(ひと)に送(おく)られるそうです。これからも、人(ひと)のためになるリングプル集(あつ)めを続(つづ)けたいと思(おも)います。



<ニュース教室> 国民投票法 憲法改正の手続き

 「国民投票法(こくみんとうひょうほう)」という新(あたら)しい法律(ほうりつ)が作(つく)られました。国(くに)の基本法(きほんほう)である憲法(けんぽう)を改正(かいせい)するための手続(てつづ)きを定(さだ)めた法律(ほうりつ)です。

 憲法(けんぽう)第(だい)九六条(じょう)には、改正(かいせい)について「各議院(かくぎいん)の総議員(そうぎいん)の三分(ぶん)の二以上(いじょう)の賛成(さんせい)で、国会(こっかい)が、これを発議(はつぎ)し…国民投票(こくみんとうひょう)…において、その過半数(かはんすう)の賛成(さんせい)を必要(ひつよう)とする」と書(か)かれています。

 しかし、改正(かいせい)の手続(てつづ)きを定(さだ)めた法律(ほうりつ)はありませんでした。憲法(けんぽう)は一九四七年五月三日のし行(こう)から今年(ことし)で六十年になりましたが、改正(かいせい)されたことは一度(いちど)もありません。

 国民投票法(こくみんとうひょうほう)で注目(ちゅうもく)されるのは、十八歳以上(さいいじょう)の国民(こくみん)に投票権(とうひょうけん)をあたえたことです。今(いま)の日本(にっぽん)の法律(ほうりつ)では、二十歳(さい)を成人(せいじん)とし、選挙権(せんきょけん)も二十歳以上(さいいじょう)にあたえているので、今後(こんご)ほかの法律(ほうりつ)との調整(ちょうせい)が必要(ひつよう)となります。

 今(いま)の憲法(けんぽう)は、日本(にっぽん)が敗(やぶ)れた戦争(せんそう)を反省(はんせい)して作(つく)られました。国民主権(こくみんしゅけん)、平和主義(へいわしゅぎ)、基本的人権(きほんてきじんけん)の尊重(そんちょう)の三原則(げんそく)をかかげています。中(なか)でも「戦争(せんそう)をしない」「戦力(せんりょく)を持(も)たない」ことなどを定(さだ)めた第(だい)九条(じょう)を変(か)えるかどうかが、大(おお)きな問題(もんだい)になっています。

 いつかみなさんにも、国民投票(こくみんとうひょう)の機会(きかい)がめぐってくるかもしれません。その時(とき)は、よく考(かんが)えて「賛成(さんせい)」か「反対(はんたい)」を決(き)めましょう。憲法(けんぽう)の改正(かいせい)は、国(くに)の政治(せいじ)や国民(こくみん)の生活(せいかつ)を大(おお)きく変(か)える可能性(かのうせい)があるからです。

《編集委員(へんしゅういいん) 佐藤隆一(さとうりゅういち)》

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