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サミットと北海道

<1>環境「大合唱」の陰で 一過性の省エネ 懸念 (2008/06/12)

サッポロビールの製品を積み込んだ後、キリンビールの工場で積み込み作業を行う共同配送のトラック=5月26日、キリンビール千歳工場

 北海道洞爺湖サミットは七月七日の開幕まで一カ月を切った。道内では開催に向けた機運が徐々に盛り上がっているが、課題も少なくない。北海道を舞台にした初のサミットが、地元に何をもたらすのかを探る。

ライバルが協力

 「北海道洞爺湖サミットを応援しています」。ゲートに掲げられた横断幕にこんな文字が躍る。五月下旬の昼すぎ、恵庭市内のサッポロビール北海道工場から大型トラックが続々と走りだした。向かう先はおよそ二キロ離れたライバル、キリンビールの千歳工場だ。

 両社が全国に先駆けて紋別など四地域向けに始めたビールの共同配送。「洞爺湖サミットが開かれる北海道からスタートすることに意義がある」。サッポロビール道支社の石原永久戦略企画部長代理が強調する。

 ビール業界は激烈なシェア争いから、小売業界などで進む配送共同化が最も遅れた業界の一つだった。しかし、両社は北海道洞爺湖サミット開催を機に高まった「環境保護」の機運を旗印に歩み寄った。これにより、配送コスト抑制に加え、二酸化炭素(CO2)の排出を二割程度減らせるという。

 政府が温室効果ガスの削減をサミットの主要議題の一つに据えたことで、道内では環境を意識した取り組みが一気に加速した。コープさっぽろやイオン北海道などは六月から、苫小牧市などでレジ袋の有料化に踏み切った。北海道経済産業局も札幌市時計台周辺のビルを「省エネモデル地区」に指定。全国的にも国が四年後をめどに消費電力量の大きい電球を全廃する方針を打ち出した。

高まる家電依存

 ただ、環境への配慮がコスト削減やイメージアップにつながる企業などに比べ、市民レベルの動きは鈍い。「『集めたごみはどれぐらいの金になるのか』と尋ねる参加者もいます」。四年前から全道一斉のごみ拾い運動を続けるNPO法人、北海道市民環境ネットワーク(札幌)の倉持寿夫代表は苦笑する。

 「環境、環境と叫んでも、逆に空回りして多くの人々が引いてしまう恐れもある」(倉持代表)。「環境」は人によって思い描くイメージが大きく異なり、サミット開催によるブームが過ぎれば、底の浅さが露呈すると懸念する関係者は少なくない。

 実際、道内家庭の電力使用量はバブル期以降増え続けている。ここ数年、伸びは鈍化傾向にあるが、メーカー各社が投入した省エネ家電の普及に負う部分が大きく、「パソコンや食器洗浄機、温水便座など利便性の高い家電製品への依存度は高まっている」(北電)。マイカー普及のあおりで、「ふるさと銀河線」をはじめ、環境への負荷が少ない公共交通機関が廃止されるなど、省エネに逆行する流れも強い。

 五月末、札幌・大通で行われた札幌商工会議所の環境関連イベント。温暖化問題を研究する北大大学院の谷本陽一准教授は「私たちは次の世代に責任を負っている」と、すぐにでも行動に移すことの大切さを訴えた。利便性をある程度犠牲にしてでも生活スタイルを変えることができるか。道民の意識改革と覚悟が問われている。

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