2010参院選 激突 道選挙区
民主「2人戦略」 党と連合 票奪い合い<上>(2010/06/22)
かつてない光景だった。
「2人当選に向け、党がもっと動いてほしい」。20日夜、札幌市内のホテル。連合北海道会長の高柳薫は、民主党北海道代表の三井辨雄に迫った。
民主党は、24日公示の参院選道選挙区で改選2議席の独占を狙って藤川雅司(53)と徳永エリ(48)の両新人を擁立する。札幌市労連出身で組織内候補の藤川を連合が受け持ち、テレビリポーターで無党派層の票が見込める徳永を事実上、党が担当する組織割りだ。高柳は三井との会談で、暗に運動の比重を徳永陣営から藤川陣営に移すよう求めた。
■強い危機感
民主党の各級選挙の候補は従来「連合におんぶにだっこ」といわれ、党側が連合に票などを求めることはあっても、逆はなかった。高柳発言は、連合の危機感がいかに強いかを示すものだった。
菅直人内閣誕生で民主党は支持率を「V字回復」させた。徳永は、その追い風を背に受けるが、藤川の陣営は、辞職した衆院道5区の前衆院議員、小林千代美陣営の労組幹部が相次ぎ逮捕された事件の後遺症で、動きは芳しくない。17〜19日の北海道新聞の世論調査でも、徳永が同党支持層の4割超を固めたのに対し、藤川は3割弱だ。
とはいえ、無党派層票頼みの徳永は、推薦を受ける新党大地や道農民連盟以外に有力な支持組織を持たず、「固まって動かせる票はほとんどない」(陣営幹部)。風もいつ一変するか分からない。約1時間にわたった高柳との会談で三井は「できることはやるが、連合も組織をしっかりまとめてほしい」とくぎを刺した。
「連合が推薦している地方議員は道内に350人。今働いてもらわないと、来年は応援できないという気合で、(議員に)指導を」。連合北海道事務局長の村田仁は17日、札幌市内で全道の労組幹部を前に語気を強めた。
民主党の道議や市議の多くは、藤川の出身の自治労系議員以外、組織のない徳永を支援してきた。だが、ここにきて連合は、来春の統一地方選での選挙応援をちらつかせて藤川を支援するよう促す。
2004年、07年の参院選道選挙区でも、候補2人を擁立しながら1議席に終わった民主党。3度目となる「2人戦略」に影を落とすのは、道選挙区の現職、峰崎直樹(65)の処遇問題だった。
党側が昨年秋、峰崎に引退を迫ったのに対し、連合は4選出馬を支持。3カ月近くも対立が続き、そのあおりで峰崎後継に藤川が決まったのは1月下旬と、徳永よりも出遅れた。
■埋まらぬ溝
党と連合がしこりを引きずったまま両陣営が始動し、その後もぎくしゃくした関係が続く。合同の選対会議もほとんど開かれない。藤川陣営幹部が「いつも労組に世話になっていながら、なぜ党は徳永ばかり肩入れするのか」と言えば、徳永陣営幹部も「大きな組織があるのに、連合は文句ばかりだ」と反論する。
党と連合の亀裂が広がれば、10月の衆院道5区補選、来春の知事選をはじめとする統一地方選への影響も避けられない。三度目の正直で2人当選はなるのか−。「2人戦略」は海図なきまま走り続ける。(敬称略)
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