道内主要各党 政策の座標軸
<1> 公共事業・新幹線延伸 (2009/08/20)
衆院選が公示され、30日の投開票に向け、政策論争が白熱してきた。北海道新聞社が行った主要6党アンケートやマニフェスト(政権公約)を読み解き、道内で関心の高い課題について各党の立ち位置を座標軸で明らかにする。
巨額投資 是非で応酬 富良野市郊外にある東郷ダム。農業用水供給を目的に着工から32年たったが、想定外の漏水で供用できない状態が続く。これまで国が投じた予算は150億円以上。巨大事業を継続するか否か。衆院選の結果が鍵を握る。 「脱ダム」続々 「時代に合わない国の大型直轄事業は全面的に見直す」。徹底した歳出削減を掲げ政権公約にそう明記した民主党。党本部がまとめた税金の無駄遣い事例集には「アニメの殿堂」(国立メディア芸術総合センター)と並び、道内で唯一、東郷ダムが盛り込まれた。 旭川開建は東郷ダムの漏水を防ぐため、来年にも改修工事に着手予定だが、民主党北海道は「事業手法や効果の検証を欠き、事業中止の決断をしなかった典型」と批判する。 社民党は、国が計画中のサンルダム(上川管内下川町)の「即時中止」を主張。共産党は平取ダム(日高管内平取町)や大規模林道3路線の中止も訴え、民主党以上に大規模公共事業に慎重だ。 これに対し、自民党道連は「地域が必要な事業を要望し、国は必要性を十分に検討した上で予算執行している」と、ダム事業などをやり玉に挙げる野党を批判する。公明党道本部も防災や救急の視点に立った高速道の早期整備などに前向きだ。 野党でも、地方重視の政策を掲げる新党大地は、高速道整備を強く求めている。 経済の起爆剤 「政権選択」選挙で注目されるのが、総事業費1兆円を超える整備新幹線の札幌延伸の行方だ。 政府・与党は昨年末、北海道新幹線の長万部−札幌間を今年中に認可、本年度内に着工することで合意した。 しかし、民主党の岡田克也幹事長は7月、整備新幹線の新規着工について「無条件に続けるべきと考えていない」と発言。同党北海道も「採算性の見極めなど、道民参加の下で検討を深め対応する」と慎重姿勢をにじませるが、代表の鉢呂吉雄氏が15日の公開討論会で「北海道こそ新幹線が必要」と訴えるなど足並みが乱れている。 新党大地も「財政負担に地方自治体が耐えられるかどうか検証が必要」と慎重だ。共産党は「道民合意が得られるまで凍結が妥当」。社民党道連は、地元自治体の負担軽減などの「条件付き賛成」としている。 これに対し、自民、公明両党は整備新幹線の推進を公約に明記。自民党道連は「道内経済の起爆剤となる札幌延伸を必ず実現させる」、公明党道本部は「食や観光など道内のさまざまな資源や魅力を発信するために必要」と早期実現を掲げる。 ただ、自公政権下でも道内の建設投資額は前回衆院選があった2005年度に比べ3割近く減っており、大型公共事業や新幹線建設の財源をどこまで確保できるかは不透明。昨秋以降、公共事業を含む補正予算が4回成立したが、業界からは「右肩下がりの中で少々増えただけ。焼け石に水だ」と冷めた声も漏れる。 公共事業の実施主体となる開発局の早期の統廃合は、道内各党とも慎重姿勢でほぼ一致している。ただ、金子一義国土交通相や岡田幹事長が廃止を示唆するなど、自民、民主両党内には見直し論もくすぶっている。 |



